差し入れは英和辞典、英検参考書…
「統一教会とか、救済法案とかはどうでもいいんです。私は徹也のこれからだけを考えているんです」
そう話すのは、安倍晋三元首相を銃撃した、山上徹也容疑者(42)の父方の伯父である。伯父の口調からは、過去を払拭し「これから先、山上容疑者がどう生きるか」ということだけを考えている、迷いのない強い思いを感じ取ることができた。
事件があった7月8日から、約半年、山上容疑者は拘置所で今、何を思うのか――。
「徹也に会いに行っている者から話を聞きますが、徹也は元気にしてるみたいです。衣食住与えてもろうて、こんな自由な時間はない。私は英検の参考書を差し入れてます。でも、徹也は全然、勉強していないみたいですが」
12月10日に旧統一教会の被害者救済法案が可決。旧統一教会に対する取り締まりは厳しくなってきている。
「自民党は、解散請求に応じたくないから、救済法案を可決させたんでしょう。統一教会が解散すれば、清算法人になる。そうすれば、裁判所が清算人を専任し、その内部書類が手に入って、安倍さんのビデオメッセージに、どれくらいお金が動いたのかがわかってしまう。だから、解散させたくないんじゃないですか」
「統一教会はどうでもいい」と一刀両断する伯父であったが、山上容疑者の鑑定留置期間の延長には疑義を呈していた。現在、徹也容疑者は1月10日まで、大阪拘置所に勾留されている。
当初、山上容疑者の鑑定留置は11月29日までの予定であったが、奈良地検の請求で来年2月6日までの延長となった。これに対し、弁護人が準抗告の申し立てを行い、地裁が1月10日までに短縮する決定を出していた。
地検は再び、鑑定留置期間の延長を求め、簡易裁判所が1月23日までの延長を認めていたが地裁は、簡易裁判所の決定を取り消し、再び1月10日までとしたのだ。
「2ヶ月は辛抱しますけど、さすがに4ヶ月は徹也にとって酷ちゃうかと。私も鑑定のとき、検事と2時間ほど話しましたけど、雑談ばかりでした。鑑定の必要ないじゃないですか。鑑定留置の延長も、地裁ではなく、簡易裁判所が出したということは、検察が簡易裁判所やったら言うこときくと思ったんでしょう」
12月24日、奈良地検が山上容疑者を殺人罪で起訴する方針を固めたことがわかった。
「私は、納得いっていません。そもそも、鑑定も果たして必要やったんかと常に疑問を抱いていたので」