森下・小幡に見る「先を見すえた選手起用」

ここまでの戦いを見て気になる新戦力は、ドラフト1位ルーキーの森下翔太選手。打撃の質という面で素晴らしいものを見せています。また、高卒5年目の小幡竜平選手も遊撃手として想像以上の守備力を発揮しています。

両選手とも、ナイター翌日のデーゲームで先発出場から外れたことがありましたが、これは、岡田監督ならではの先を見すえた選手起用だと言えるでしょう。まだプロ野球特有の生活に慣れていない選手たちが、知らず知らずのうちにたまってしまった疲れで、調子を崩したり、思わぬ怪我をしたりしないように意識的に休ませているのではないでしょうか。

自分のルーキーイヤーは状況が違ったので、このような積極的休養はありませんでした。プロ1年目は開幕戦こそ先発出場させてもらいましたが、実力が伴わず、すぐに試合に出場できなくなり、レギュラー定着には至りませんでした。

監督としては11年ぶり、阪神では15年ぶりに指揮を執る岡田監督(写真/共同通信社)
監督としては11年ぶり、阪神では15年ぶりに指揮を執る岡田監督(写真/共同通信社)
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自分でも、プロの世界で通用する力をつけるために、最低1年はかかると思っていたので、試合に出場できないことや、結果が出ないことを気にするよりも、次の年にレギュラーを掴むために、1年間戦える体力を作ること、プロ野球選手としての生活に慣れることを意識しながら毎日を過ごしていたのを覚えています。

レギュラーを掴んでからは、「開幕から何試合ぐらいまでに結果を出す」というより、年間トータルとしてどう戦うか、ということを常に考えていました。シーズン序盤に結果が出るにこしたことはありませんが、寒い時期があまり得意ではなかったので、夏以降から調子をあげるための準備期間と考えると、開幕直後の成績は、あまり気にならなかったです。

わかりやすい基準として意識していたのは、開幕からの100打席です。ここで最低でも打率.250以上あると、次の100打席で打率.350打つことができれば、トータルで打率.300になりますよね。そういう意味で、開幕から100打席で打率.250ぐらいであれば、徐々に成績は上がっていくという感覚がありました。