「“アナウンサーなのに”という批判をもらうことは想定の範囲内」「恥ずかしいと逃げることも失礼」日本テレビのアパレル事業、Audire。岩本乃蒼アナの目指す新たなアナウンサーの挑戦_4

恥ずかしいと逃げることは失礼

──当時の思い出は?

編集長から、勉強のために「先輩モデルの撮影を見に行きなさい」と言われましたね。当時は佐々木希さんや桐谷美玲さんをはじめ、本当に麗しい女性たちに囲まれて夢のような時間でした。

もう10年も前のことですが、モデルのみなさんがストイックに仕事されている現場を間近で見てきた経験があるからこそ、その難しさも理解しています。

Audireの事業に関しても、少なからず「アナウンサーなのにモデルみたいなことをして」という批判をもらうことは承知の上で走り出しています。

でも、この世界で挑戦することを、すでに私たちは決めてしまった。会社の稟議も通っているわけです。「アナウンサーらしくないことはしたくない」という弱音はこの事業においてはもう通用しないですし、「恥ずかしい」とスカして逃げてしまったら、本業でやっている方々にとても失礼だと思うんです。

同じことはできなくても、自分たちなりに商品の魅力を伝える表現方法は、アナウンサーの枠にとらわれずにチャレンジするべきだし、学ぶべきだと思いました。

──かっこいいです! 周囲の方からの反響は?

妹がファッション好きなので、彼女の存在は大きくて。どういう服が欲しいか、どのくらいの値段なら購入するか、チューニングを合わせていくために等身大の20代女性の意見をたくさん聞きました。

ファーストシーズンのスカートや、太いタイと細いタイを気分によって使い分けられる、今期のブラウスも着てくれています。

タイを通すベルトに手持ちのスカーフを入れて着回すなど「そうそう、こうやって働く女性に着てもらいたかったの!」というスタイリングを体現してくれています。

──岩本さん発案のジレは?

私が持っているジレは買わなかったみたいです(笑)。と、いうのも妹とは背格好がほぼ同じで、洋服をシェアすることもしばしば。着たいときにはお互いに貸し借りします!

ロケ取材に行くときは私服なのですが、「この前のスタイリング変だったよ」とオンエアを見て厳しいチェックが入ることも。ありがたい意見ですね…(笑)。

本当はミニマリストになりたいけど、自然と洋服が増えてしまう職業ではありますね。

だからこそ、着回しができることはすごく重要。私たちがAudireに込めた思いは、きっと働く女性に共感していただけると願っています。

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取材・文/松山梢 撮影/猪原悠 ヘア&メイク/尾古夢月