先輩たちが切り拓いてきた道
佐々木 私ね、今日は三上さんに聞きたいことがあるの。男女雇用均等法が施行されたのは私が中学生のときで、これからは女性たちも働ける時代が来るんだと感じたことをすごく覚えているのね。私が入社したころ、10年くらい上の先輩がようやく働きながらも結婚をし始めた感じで、5年上の先輩が子どもを1人産んで戻ってくる世代。私たちのあたりから、2人、3人子供を産んで戻ってくるケースも出てきたのだけれど、相当歯を食いしばって頑張ってきたのよ。で、聞きたいのは、そういう私たちが、下の世代から苦しそうに見えないかってことなの。
三上 先輩方がさまざまな困難を乗りこえてきたのだなと感じることはあります。もちろん大変なこともたくさんあったのだろうと思いますが、恭子さんのようにお母さんでもバリバリ働いている方はすごくカッコいいなと思いますし、自分もそうなりたいと思います!
佐々木 ホントに? 私は今、管理職もしているけれど、後輩が「子どもが欲しい」とか話してくれると、すごく嬉しいの。男性社員が「育休取りたい」なんて言ってくれると「取って取って、全面的にサポートするから、ぜひ取って!」と心から思う。
三上 私たち世代がそう思えるのは、先輩方が道を切り拓いてくださったからです。恭子さんのお嬢さんが社会に出る頃には、もっともっと変わっているんでしょうね。
佐々木 まだ小学校低学年だけど、「これからはどんどん女性も当たり前に働き続けられるようになるから、家庭を持ってもやりたいことは続けたらいいと思う」って言ったら、何て答えたと思う!? 「当たり前でしょ、それは人権だよね」って!
三上 時代はどんどん変わっているんですね。私が入社してからの10年だって、ずいぶん変わりましたものね。ありがたいな、って思います。
佐々木 三上さんは、アナウンサーを辞めたいと思ったことってあるの?
三上 あります。失敗が多くて…。向いてないんじゃないかと思って、若い頃はいつを区切りに辞めようかなってことばかり考えてました(笑)。
佐々木 どうやって乗り越えたの?
三上 先輩や後輩に助けてもらいながら、自分の居場所を見つけられたということもあるし、『ノンストップ!』でご一緒している設楽統さんから、この仕事の楽しさと、等身大でいることの大切さを学んだのが大きかったと思います。恭子さんは?
佐々木 私も、何度もあるよ…。