「“アナウンサーなのに”という批判をもらうことは想定の範囲内」「恥ずかしいと逃げることも失礼」日本テレビのアパレル事業、Audire。岩本乃蒼アナの目指す新たなアナウンサーの挑戦_3

商品をより良く見せるためのスキルは必要

──実際にはどのようなサポートを?

私は洋服は好きですが詳しくはないし、アイデアマンではないので、いろんなアナウンサーから生まれたアイデアの実現にむけバックアップしています。

立ち上げ時にはアナウンス部のスケジュールを見て、どのメンバーが参加できるかを確認して声をかけたり。

ローンチ後は、どんなSNS展開をすれば多くの人に見てもらえるか、そして外部のメディアに取り上げてもらうことができるのかなどPRを考えたり、リリースの文言チェックなども携わらせてもらっています。

──実際の商品には関わっていますか?

今日着ているジレは、私がほしいと提案した商品です。報道番組を担当していると、その日起きた様々なニュースの現場に駆け付けますので、華美だったりカジュアルすぎたりする服は普段から避けるようにしています。

もちろんジャケットの用意もしていますが、毎日ジャケットだと窮屈に感じるときも…。

でもジレならば、仕事でのきちんと感とおしゃれで、肩の力が入りすぎない抜け感も1着で演出できる。すごく今の私の働き方にマッチしていると思ったんです。

──デザインのこだわりは?

休日にヒールを履いても、デニムとスニーカーに合わせてもバランスが取れるように、いろんな身長のアナウンサーに着てもらって丈感を決めました。

胸元が開きすぎているとインナーを選びますし、ボタンを開けても閉めても綺麗なシルエットが保てるように、デザイナーさんやパタンナーさんとかなり相談をしました。

そしてポケットの位置も、高めにして腰高に見えるように。気に入って購入してもらうものですから、スタイルアップはマストですよね!

──岩本さんといえば、大学生時代にノンノの専属モデルとしても活動されていました。当時の経験は生きていますか?

先日初めてルックの撮影に参加したのですが、10年以上前とはいえ、モデル経験があった分、カメラの前でポーズをとることのハードルは低かった…かもしれません。

アナウンサーの仕事をしていると、スチール撮影ってどうしても照れくさかったりするんです。でも、せっかく作った商品をよりよく見せるために着用モデルを務めるのであれば、必要な表現方法だと。

いい番組をつくるためにナレーションやリポートの練習をするのと一緒で、Audireの仕事においては商品をより魅力的に見せるために必要なスキルなんだと感じています。

撮影のときに「ちょっと服を振ってみよう」、「目線をこっち~」と、後輩たちにアドバイスをしちゃったこともありますが、学生時代に「ノンノ」で仕事をさせていただいた経験は、ここでも役立っています。