初デートの競艇場で夫が豹変
――旦那さんもギャンブル依存症だったそうですね。どのようにして出会ったのですか。
アルバイト先が同じだったことがきっかけです。夫と出会った当時の私は、会社員をしながらもダブルワークでバイトを始めて、そのバイト先に大学を留年中の夫がいました。ある時、夫が「競艇が好き」という話をしているのを聞いて、面白そうだから連れていってもらったんです。
――初デートで競艇に行ったんですか。
夫は普段は穏やかなんですが、レースが白熱してくると「おらぁッ! まくってけェェぃ!」なんて大きな声で騒ぐんです。その姿を「男らしい!」と感じて、それをきっかけに親密になっていきました。
――それにしても大学生にしては競艇って珍しい気がします。
出会った当時の夫は、ギャンブルが原因で大学を留年していました。大手企業から内定をもらっていて、あと1つ単位を取れば卒業できたのですが、試験の日が競艇の重賞レースと重なって、競艇に行ってしまって留年したそうです。本人は「試験に行かなくても卒業できると思っていた」と言っていましたが、その時点で認知が歪んでいたといえそうです。
#2につづく
取材・文/内田陽 撮影/高木陽春