いざ、入札開始! 果たして落札できたのかどうかと言えば……
官公庁オークションは、仮申し込みから本申し込みに進んでも、その後に長い待ち期間がある。
定められた“入札期間”まで、数週間ほども待たされるのだ。
僕は頭の中に、広くて素敵な“ニュー車中泊車”と、おしゃれな“ブックカフェバス”の妄想を展開させながら、ヤキモキしながら入札開始日を待った。
入札開始後から締め切りまでの期間は物件によりマチマチだ。
僕が申し込んだ2件は、入札開始日こそ同じだったが、東大和市役所の図書館車の方が4日も早く終了する予定だったので、まずはこちらに片を付けなければならない。
とはいえ、せり売り形式なので焦っても仕方がない。
まずは様子見しつつ、締め切りのギリギリで勝負しよう。
そう思って、入札開始直後にオークションのページを開いてみたら、愕然としてしまった。
開始直後からバンバンと入札が入り、10分後には30万円越え。
そして入札開始2時間後には、僕が想定していた金額である50万円を超えてしまったのだ。
……チーン。
おしゃれブックカフェバスの構想は、あっという間に霧散消失した。
結局、4日後の落札額は131万2000円。
こりゃ無理だ……。
しかしこんなにマニアックで入手後の処理も大変そうな車に、ここまでの金額を注ぎ込める人はどんな金持ちなのだろう?と疑問に思ったが、相手は個人ではないなという感じもした。
きっと、駐車場所もふんだんに備えた地方の法人、あるいは移動図書館としてそのまま活用しようと考えている団体などなのではないだろうか。
それに、この図書館車は高値になる兆しもあった。
みずうみ号”という名前で、長年の間、東大和市民に親しまれた末に引退したことが、動画のニュースで伝えられていたのだ。(https://www.youtube.com/watch?v=PJH8xpnNo3g)。
また、官公庁オークションに出品された際にも、「書斎に使えそう?」というタイトルで、ニュースになっていた。(https://news.yahoo.co.jp/articles/167464ea1597044f2eb39d964f00d2c97233c2ba)
つまりオークションが始まる前からちょっとした有名車になり注目されていたわけだが、それにしても、30年落ちの特殊車両に131万円の値がつくのか……。
まあ気を取り直し、長野県庁の日産バネットの落札に集中しよう。
そうはいってもこちらは、一度きりの入札方式なので、25万円で入札してしまった以上、静かに祈りながら入札締切日を待つしかない。
そして入札開始から8日後、入札終了直後にサイトを確認してみると、やはり僕の落札は叶わなかった。
落札金額は36万9000円。
く〜、惜しかった。
入札してしまった後、僕は10万円程度プラスしておけばよかったかと後悔していたのだ。
それでもまだ落札金額に届いてはいないのだが、いい線はいっていた。
今回の官公庁オークションの勝負は、いろいろと学ぶところが多かった。
落札金額の相場感や、高値がつきやすい物件についてもなんとなく学習できたので、次回こそは決めたいと思っている。
その際はまた本コラムで報告するので、乞うご期待!
写真・文/佐藤誠二朗