ロビーに到着するまでにもワクワクする仕掛けが
首都圏より約2時間、鬼怒川温泉駅より車で5分の、鬼怒川渓流に面した小高い丘の上に佇む界 鬼怒川。ところが案内表示に従って車を走らせると、川のせせらぎがすぐ聞こえるほどの、渓谷の底まで降りていく。そこに見えてきたのは、なんともモダンなエントランス。
「あれ、丘の上にあるんじゃないの?」という疑問を抱きつつくぐると、フロント……ではなく、なぜかスロープカー乗り場が!
そう、ここ界 鬼怒川はガラス張りのスロープカーで3分ほど登った先に宿泊棟があり、森の中を進んでいくうちに、いよいよ「非日常の温泉を楽しみに行けるぞ」……というワクワク感を高めさせてくれる。もう、初っ端から心を掴まれてしまった。
ケーブルカーを降りると、栃木名産の大谷石が敷き詰められたエントランスホールと益子焼の水琴窟、木々が生い茂る中庭が目の前に。
先ほど通ってきた森の木漏れ日が差し込むロビーラウンジには、人間国宝・濱田庄司らによる益子焼の作品も出迎えてくれる。
圧巻なのが、栃木名産の益子焼をはじめ、美濃焼、波佐見焼、九谷焼、有田焼、清水焼、唐津焼など、日本各地の焼物の産地から約200個を集めた「豆皿ギャラリー」。販売はしていないものの、バラエティ豊かな色とデザインとの職人技を、手にとって楽しむことができる。
星野リゾート「界」ブランドの特徴は、全客室が、その土地の名産品で彩られた「ご当地部屋」であること。界 鬼怒川の「とちぎ民藝の間」には、栃木の伝統工芸品「益子焼」「黒羽藍染」「大谷石」「鹿沼組子」がいたるところに使われている。