「本当に映っちゃった?」と思うくらいリアル
続いては『ノロイ』を紹介する。2005年に公開された本作は、国産モキュメンタリーを代表する1作だ。
監督は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズなどで知られる白石晃士氏。あちこちに伝搬していく呪いの連鎖を怪奇実話作家の小林雅文という男が追うさまを、ドキュメンタリー風に描くという内容だが、その様子だけでなく、テレビ番組や別視点のカメラ映像などあらゆるシーンがバラバラに描かれ、それらが1つの邪悪な真相に収束していく。
この作品も非常にリアルで、筆者は学生時代に鑑賞してから3年くらい実話だと思っていた。アンガールズが出演する番組映像も実際にありそうだし、そこに現れる影なども「本当に映っちゃったんじゃないか?」と思うくらい嘘臭さがない。
ただリアルなだけでなく、数多いキャラを巧みにさばきながら“呪いの大元”を探っていくストーリーそのものも面白い。110分とこの手の作品にしては少々長いが、それでもまったく飽きない濃厚な内容である。
もし本作を観るなら、特別版DVDを入手することをお勧めする。特典が特盛で、劇中に登場するワード「カグタバ」をいじりまくる映像や、大量の未公開邪悪シーンなどが収録されており、本編同等の見応えがある。