実行犯を変えて再び暗躍
一連の事件の起点となったのは昨年5月2日、京都市中京区の貴金属店「ビッグムーン京都」に2人組が押し入り、ハンマーを振り上げて店員を脅し、高級腕時計41本、約7000万円相当を奪って逃走した事件。京都府警は7月に実行犯の男女4人を逮捕したが、いずれもがSNSを通じた闇アルバイトの募集に応じた犯行であることを突き止め、さらにこの4人に犯行の役割や段取りを指示していた“調整役”も逮捕した。
この人物は大阪で起きた別の「闇バイト」事件でも実行役の募集に絡んで、逮捕監禁致傷などの容疑で逮捕されており、犯行グループの全容解明が待たれている。
しかし数か月後、場所を首都圏に移して、彼らの仕事は再開された。もちろん実行犯は新たな「雇われ」たちだ。そして西に東に、類似の強盗事件が頻発していった。
同10月20日、東京都稲城市の住宅で現金3500万円や貴金属が奪われる強盗傷害事件が発生、11月7日には山口県岩国市で5人組の男が住宅に押し入り金品を強奪しようとして失敗、12月5日には東京都中野区の住宅に男7人が侵入して現金約3000万円を奪った。
その後も年末から年始にかけて、下の表のように立て続けに類似の強盗事件が発生、狛江市の事件では遂に殺人を犯すまでにエスカレートした。
いずれも首魁から発注された”仕事”がいくつものフィルターを通して遠隔操作され、実行されたとみられる。