#2 自殺直前の母がつぶやいた忘れられない一言。「大人は誰も信じられない」連日の喧嘩で上京、AVプロダクション設立、嘘だらけの芸能界デビュー、嶋大輔との伝説の喧嘩を高知東生が語る
#3 愛人とラブホテルで覚せい剤・大麻所持で逮捕。。すべてを失った高知東生が、依存症回復途中の今いちばん人生で楽に生きられる理由
波乱万丈の人生を綴った初小説『土竜』
――本日はよろしくお願いします。
ちょっと待って、これドッキリじゃないよね?
――ドッキリではないです。
だって俺が集英社に呼ばれてインタビューなんて信じられないよ。
――最近はどんなふうに過ごされているんですか。
正直自分でも何をどうしたくてこうなっているのか、わからないんだけど、今は依存症の理解を深めてもらうための啓発活動を軸にして、講演をしたり、いろんな人と語り合ったり、もちろん勉強もしたりね。最近は小説も書いてる。
――文芸誌「小説宝石」に掲載されていた自伝的小説『土竜』ですね。
そうそう、よく知ってるね。うれしいなぁ。本になるからぜひ読んでよ。
去年はTwitterで見られる『嘘つきは○○のはじまり』という連続ドラマで役者の仕事もさせてもらいました。あとはYouTubeもやってます。俺を無理やり救ってくれた依存症問題の専門家である田中紀子さんと『たかりこチャンネル』というYouTube番組をね。
それと、清水節子さんという歌の師匠がいるんだけど、初心に戻って、運転手と付き人からはじめて、去年の11月に「今宵 アンタと…」っていう曲で作詞家デビューさせていただきました。
その曲を清水先生が歌ってくれただけじゃなく、同じCDに入っている「粋な関係」という曲では、清水先生とデュエットまでさせていただいて。この「粋な関係」は、もともと清水先生と千葉真一さんがデュエットしていた曲なんです。こんな光栄なことないですよ。
だから日々いろんな活動はしているんだけど、自分でも実感がないんです。
――「実感がない」というのは?
何かしら目指すものがあって動いているというより、とにかく生き直すことを目標にいろいろなことを積み重ねていたら、ありがたいことに声をかけてくれる人がたくさんいるんですよ。今日のこのインタビューだってそう。
かつての俺は、本業以外のオファーをいただいても「自分は俳優しかできません」とか「やったことないので無理です」って、ビビって断ってたんです。でも依存症の仲間たちがケツ叩いてくれたおかげで、今は何でもやるようになりました。せっかく声をかけてくれる人がいるんだから、不安に苦しむんじゃなくて、完璧にできなくてもいいから、とにかくやってみたほうがいいって。みんな言ってくれたんですよ。