随所に感じるジョジョ愛と遊び心
本書は、背表紙が、第3部「スターダストクルセイダース」の主人公、空条承太郎のシルエットになっているなど、ジョジョファンであれば思わず嬉しくなってしまうような仕掛けが随所にある。
「マンガを読み返しているうちに『地球の歩き方』の背表紙にあるギザギザ模様が、第3部の承太郎の横顔と重なって見えまして。ファンの方なら気づいてくださるかなと、シルエットを反映しました。初回限定の腰高帯はリバーシブルになっていて、裏面には石仮面とメキシコの遺跡チチェン・イッツァが描かれています。
裏面のイラストは『地球の歩き方』の創刊時(1979年)から表紙デザインをお願いしている日出嶋昭男さんに描いてもらいました。このリバーシブル帯も非常に貴重なコラボになりました」
本書のメインコンテンツである「スターダストクルセイダース旅プラン」もそのひとつだろう。この旅プランは可能な限り承太郎たちの旅プランをなぞってつくられた聖地巡礼ツアーだ。
「『地球の歩き方』では、モデルプランを入れることも多いので、最短のプランをつくってみました。19日間で香港~エジプトまで旅をして、約111万円(2022年3月調査時)。ニューヨークの不動産王(ジョセフ)ならドバイの『ブルジュ・アル・アラブ』に泊まるかなと1泊17万円くらいするホテルも加えていますが、10都市以上巡ってこの金額なので、決して高くはないかと思っています。
ジョジョファン同士のハネムーンにも最適なんじゃないかと。ただ、多くの方がスピードワゴン財団に知り合いはいないでしょうから、保険には必ず入っていただきたいですね」
「このガイドブックは、第1部から第8部までのスポット紹介に加え、「岸辺露伴と歩くルーヴル美術館」などの芸術特集も掲載しています。208ページのなかに情報をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまいましたが、分厚くはないので旅のお供にぜひ持ち歩いてほしいです。杜王町のモデルである仙台は、1泊2日のモデルコースも用意しているので、まずは仙台を旅していただけたら」
最後に、由良さんにまだ読者に気づかれていない仕掛けがあるかを聞いたところ「一つだけある」と返ってきた。この記事では、あえて答えは明かさないでおこうと思うが、そんな場所にまでこだわっていたのかと驚かされる遊びが隠されていた。この記事は、ここで締めるが気になる方にヒントだけお伝えする。
ヒントは「地図」だ。
取材・文・写真/砂流恵介 漫画/©荒木飛呂彦 & LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社