番外編/一世を風靡したあのフルーツも

ブルーベリー、アセロラ、マスカットといった、他のお菓子でも定番になっているフルーツフレーバーは、私が中学や高校の頃、一通りのガム体験後に現れた。

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それぞれ当時流行りのフルーツの味と香りだった

アセロラ味は飲み物やアイスなど、何にでも使われるほど一時大流行した記憶がある。

ここまで紹介したガムは、いずれもロッテ公式オンラインショップで発売されている。
https://lotte-shop.jp/shop/w/w-Lotte

そしてもう一つ、記憶の中にはイブというガムがあった。

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まるで口紅の箱のような高級感

化粧品を連想させるパッケージが印象的で、中身がわからないため、板ガムかどうかもわからない。子どもの私には手にすることすら憚られた。

今回も入手できたのは写真のみで、結局食べることが叶わなかった。憧れの女性同様、「手が届かない」ガムとして、これからも思い出の中だけのガムになるのだろう。

ガムラックは大人への階段だった

チューインガムは「噛み終えたら紙に包んで捨てる」ものだ。

それに対し、子どもの私にとってフーセンガムは、「噛み終えたら飲み込む」ものだった。飲み込んでいたフーセンガムから、せっかくの食べ物を最後に捨ててしまうというチューインガムが手に取れ、味わった時、私は大人の仲間入りをしたような気になった。

実際、ロッテの板ガムは1980年代、20-30代の若い成人をターゲットにしていたそうで、私の実家でも板ガムは、駄菓子とタバコの中間にある商品だったのだと思う。

私の目線より高い位置に置かれた板ガム専用ラックは、背伸びしなければ届かない存在だった。甘い板ガムは下の方に、刺激の強い板ガムは上の方に並んでいたように思い出すのは錯覚だろうか。そんな板ガムのラックはまるで大人への階段のようで、上る度、自分が大きくなったと感じさせてくれた。

今でも身近にある板ガムを、これからは自分たちの子どもに、思い出とともに伝えていきたい。

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文・イラスト/柴山ヒデアキ
画像提供/ロッテ