当日は雲ひとつない気持ちのいい晴天だったことも手伝い、平日であることを忘れるほどの大賑わいだった。
そして僕は、エリアに入ってすぐのところで、早くもグッとくる店を見つけてしまう。
露天ではなく、商店街の空き店舗を利用している店で、入り口に並べられている昭和レトロな据え置き型ラジオが、いきなり琴線に触れてしまったのだ。

世田谷のボロ市で買ったアンティークラジオを、Bluetoothスピーカーとして使ったら最高だった_2
世田谷のボロ市で買ったアンティークラジオを、Bluetoothスピーカーとして使ったら最高だった_3
欲しくなってしまったアンティークラジオたち

お店の中に入ると、さらに僕の気持ちがグラグラと揺れた。
棚にはつげ義春を中心とするガロ系の古い漫画やプラモデルが並べられている。
そういえば店頭には、使用期限が切れた発煙筒やドリアンの皮などのわけがわからないものとともに、“ひろった石”が一個200円で並べられていた。

さらに店内をよく観察してみると、キーボードから外されたパソコンのキーだけが容器に大量に入れられ、「キーボードすくい」として売られているなど、いろいろと様子のおかしい店であることに気づいた。

世田谷のボロ市で買ったアンティークラジオを、Bluetoothスピーカーとして使ったら最高だった_4
サブカルネタ満載なお店の様子

魔改造されたらしき“梅こんぶ茶”の缶は、「スネークマン¥1000」「ハヤシヤ¥1000」というシールが貼られている。
上部のボタンを押すと「トントン(ノックの音)、警察だ! 麻薬現行犯で逮捕する。開けろ! トントントン/だ、だ〜れ〜?」や「ハ・ヤ・シ・ヤ マンぺーです」と、昔懐かしきスネークマンショーの名フレーズが再生される仕組みになっている。

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謎のスネークマンショー缶

僕ら世代のサブカルネタ満載なこの店がとても気になり、中でも店頭のアンティークラジオが欲しくてしょうがなかったのだが、同行した妻からよく考えるように促され、一旦はその場を離れることにした。