「友だち」という肩書きよりも大切なこと
――この作品を描き上げたことで、得られた学びはありましたか?
あとがきにも書いたんですが、「友だち」や「仲間」とかいう肩書きではなく、実際にその人とどのような関わりを持てるかが大事だなと思いました。
――確かに、いまの中川さんは友人もいらっしゃいますし、コミュニケーションにも問題がなさそうに見えます。
そうですね。でも、社会人になってから上京するまでの期間は、ひとりでつらいことが多かったし、つらさに麻痺して途中から何も感じなくなっていたくらいでした。
――『くも漫。』でも描かれていましたが、漫画家を目指すことを決意する直前まで、メンタル的にもかなり追い込まれていたんですよね。
仕事が続かなくてハローワークに通ったり、途中からはハローワークに行ってくると親に嘘をついて無料駐車場で1日寝ていたり、そういうことの連続でした。映画の感想を言い合う人もいないし、何事もひとりで自問自答していたので、孤独ではありましたね。
――例えば今、当時の中川さんのような思いを抱えている人にとって、この漫画は友だちづくりの参考書になり得ると思いますか?
うーん、どうですかね。ただ、前半は割とネガティブなキャラクターではじまったのが、だんだんアグレッシブに行動していくようになるので、そこは元気になってもらえるのかもなと思います。自信を与えられるかまではわかりませんが、こんな僕でも仲間ができたので、まずは笑って元気になってもらって、あわよくばなにかの参考になれたらうれしいですね。
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取材・文/森野広明 漫画/中川学