#1【漫画あり】風俗店でくも膜下出血を発症した29歳が過ごした世界一恥ずかしい闘病生活記はこちらから
風俗店で、くも膜下出血発症
――『くも漫。』は生死に関わる病気を描いた作品ですが、あまり悲壮感なく読めるのは、中川さん自身のキャラクターによるところが大きいのかなと思いました。
でも、楽天家とかではまったくなくて、本当にネガティブだし、悲観的だし、心配性なんです。この漫画に悲壮感がないのは発症から時間が経っていたので、客観的に描けたからじゃないかなと思います。
――漫画家になる以前は職を転々として、ひきこもりのような時期もあったそうですが、性格的にもずっと変わらないですか。
そうですね、心配性な感じはずっとありました。 教育大学を卒業した後に臨時教師の職に就いていたんですけど、最初から駄目だったんですよ。全然向いてなくて、25歳のときに教員住宅のテーブルの上に「探さないでください」って手紙を置いて失踪したんです。だから、社会人になってすぐに躓いて、そこからずっと躓き続けてる感覚ですね。 ちなみにその失踪話も『探さないでください』(平凡社)という一冊の漫画なっています(笑)。
――中川さんが25歳ぐらいの頃(2000年頃)は、社会的にもそういう風潮があった気がします。
そうですよね。いわゆるロストジェネレーションというか、就職氷河期第一世代のど真ん中で、僕の周りも無事にいってる人が少ない気がします。失踪している人も結構いましたよ。
――そういったタイミングでくも膜下出血を発症したことが、漫画家を目指すきっかけにもなっているんですよね。
そうですね、やっぱり人間いつ死ぬかわからないから、やりたいことをどんどんやっていこうって気持ちになりました。