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GOが出るまでに4本のパイロット版を要した、3Dの全面採用

日本的2Dアニメを救うのは3Dか? 原作者の鳥山明も絶賛。「日本アニメ」新時代を予見させた『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』制作経緯_1
『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のプロデューサーを務めた、東映アニメーションの林田師博さん。『ドラゴンボール』劇場版においては、2015年『ドラゴンボールZ 復活の「F」』以降の作品を手掛けている
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――『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』で3D表現を全面的に取り入れるまでにどのような道のりがあったのでしょうか?

3D表現採用には東映アニメーション社内でも反対が多かったのですが、上層部に「やってごらん」と言ってくれる人たちが何人かいたことから、2014年の6月にパイロット版の制作が始まりました。
それから集英社のドラゴンボール室や鳥山先生に初めてお見せすることができたのが2016年頃です。計4本のパイロットフィルムを作って都度確認していただき、GOサインをいただけました。

『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のパイロット版制作は、前作『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年公開)と同時並行で行われていた

――最終的にはどんなパイロット版が鳥山先生からOKをもらえたのでしょうか?

今作『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』で監督を務めた児玉徹郎さんが手がけたパイロット版です。「これをベースに開発してくれたら良い作品ができるかもしれませんね」といった内容の回答をいただけました。

日本的2Dアニメを救うのは3Dか? 原作者の鳥山明も絶賛。「日本アニメ」新時代を予見させた『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』制作経緯_2

――それまでのパイロット版と比べ、どういった点が鳥山先生に評価されたのですか?

「キャラクターの動き」です。手描きアニメーションの良い部分と、新しい表現ならではのリアリティあふれるアクションがうまく融合されていて、そこを先生にご評価いただきました。児玉さんは業界の中でも数少ない、3Dセルルックのアニメをずっと研究してこられた方なので、その経験が存分に発揮されたんだと思いますね。

児玉監督による短編アニメーション作品『PIANOMAN』。文化庁メディア芸術祭 第24回 アニメーション部門 審査委員会推薦作品。児玉監督は前作『ドラゴンボール超 ブロリー』でもCGシーケンスディレクターとして参加している