今後の結婚式のトレンドは「推し婚」
今後、結婚式はどう変化していくのだろうか?
結婚トレンド調査2022によると、結婚式を実施者の約9割が「定番やしきたりに捉われず、ふたりの価値観にあった自由なやり方をすればいいと思う」と回答した。
コロナを経て、自分に本当に大切なものは何かを考える時間ができ、こうしなきゃいけないではなく、自分やふたりにとって大切なものを表現するのが結婚式だという考え方に変化してきているようだ。
森編集長は
「ふたりが大切なものや好きなものを表現する結婚式は、いわゆる“推し”を表現する『推し婚』が今後のトレンドと考えています。『推し婚』とは、推し=趣味、地元、親、親族など、自分が大切にしたいものを結婚式のコンセプトにすることです」
と語る。
趣味などは以前から、サーフィン好きならサーフボードをウエルカムボードにするなど取り入れていることもあったが、それと「推し婚」は何が違うのだろうか?
「趣味などを取り入れるのは以前から部分的なところであったかと思うのですが、『推し婚』は結婚式全体のコンセプトやテーマになっているところに違いがあります。
以前は『テーマ婚』というには少しハードルが高いイメージがありました。例えばSLが好きだから、SLに乗って挙式するなど、誰でもできるというイメージではなかったと思います。
それに対して『推し婚』はそのテーマやコンセプトが趣味以外のものでも成り立つため、ややハードルが下がりました。
例えば、地元が好きなら『地元推し婚』がテーマで、地元でお世話になった人を呼び、地元の料理などでおもてなしすることは、結婚式のコンセプトとして成り立っています。
そういった、特別なことでなくてもふたりにとって大切なものを表現するのが『推し婚』なのです」
そういった『推し婚』を受け入れる会場の体制もどんどん整っているという。
「会場でも『推し婚』に合わせてさまざまなプランを発表されています。
挙式会場で披露パーティーができたり、ふたりが表現したいことに合わせてプログラム変えることができたりなど柔軟に対応されています。自分たちの大切なものを探っていくようなコンセプトワークを含んだプランなどもあり、推しのテーマに困ってもサポートしてくれる商品もあります」
既存のスタイルに捉われず、「自分たちにあったスタイルがある」「ウエディングパーティーのバリエーションが広がっている」ことの実感が今後、結婚式の実施を高めていく鍵になりそうだ。
森編集長もさらにさまざまなニーズに応えていく重要性を感じている。
「多様性を認める社会になりつつある中、結婚式や結婚においても多様性が求められていると思います。定番なものより自分たちのスタイルに合った方法が選べるように、媒体としても今後もいろいろ提案していきたいですね」
取材・文/百田なつき