5階のギャラリー入口からビル1階まで行列
――これまでの企画で、想定外の反響だったものや失敗談などはありますか?
あります、あります(笑)。基本的に、「やってみることが大事」というのが代表の考えにあるので、出てきたアイデアはなるべく形にしていて。
そんな中、『ねこ休み展』が多くの方に愛していただけたので、「よし、次は『いぬ休み展』だ!」とやってみたものの、そこまでの反響は得られず…。たしかに、安直ですよね(笑)。
――要因として考えられるのは?
猫の写真を撮る人は、どちらかというと日ごろの写真も“作品を撮る”という意識が強い気がします。そういう意味では、そのままの写真で企画展として成立しやすい。一方、犬の飼い主さんは、日常の自然なようすを写真に収める人が多いように感じます。
もちろん、どちらも素敵なのですが、そもそものスタンスがちがうので、猫の企画をそのままスライドしただけでは、伝わりづらかったんだろうなと思います。そこで、犬の企画は切り口を変えて『鼻ぺちゃ展』を考案しました。それによって、犬の写真のかわいさが引き立ち、今では人気企画のひとつになっています。
猫好き、犬好きの方の感覚のちがいもあるんでしょうね。あくまで物販の傾向を見ていての感覚ですが、猫好きの方は猫種の垣根みたいなものがあまりなく、猫全般を好きな方が多い。犬好きな方は、より好きな犬種がはっきりしているような気がします。
――BACONさんは浅草橋の「TODAYS GALLERY STUDIO.」を始め、各地でギャラリーの運営もされていますよね。
百貨店などで展示させていただくこともありますけど、基本は東京、名古屋、福岡の自社のギャラリーで展開しています。大きな空間ではありませんが、初回の『ふともも写真の世界展』(2016年)には、約1万6千人という過去イチの来場者が来てくださいました。
――いちギャラリーとしてはすごい数!
ありがたいことに、5階のギャラリーからビルの1階まで、1日中、人が並んでいるような状況でした。他でやらないことをやって、皆さんに楽しんでもらいたいというのが基本にあるので、そのときは屋外に足湯を用意したんです。足湯に入ると自然にふとももを出すことになるという、企画展との連動も考えて。思った以上に、費用はかかりましたけど(笑)。