各界のセレブを相手に高額取り引きをしながらも、
ラフなスタイルで通す理由
――マイクさんのインスタを見ると、直近ではメイウェザーが出ていましたし、スティーヴ・アオキとか、リル・パンプとかラファエルさんとか、錚々たる人たちとの交流があるじゃないですか。率直にすごいなーと思うのですが。
ありがたいことに知り合いが知り合いに紹介するような形でどんどんつながり、そういう人たちが来てくれるようになりました。それはとても嬉しいんですけど、彼らと話していても、僕自身とはレベルが違いすぎて、なんだか居心地悪いというのが正直な気持ちです。
――ひとつ聞きたかったのは、銀座でこういうスタイルで商売されていると、そうやって喜んでくれるお客さんがいる一方で、批判的な目で見る人もいるんじゃないですか?
もちろん、うちはアンチも多いですよ。こんな高級時計を売ってるのに、なんでスーツを着ないんだとか。なんでそんなにラフな感じなの?と思われているんでしょう。でもニューヨークに行ったら、高級時計やジュエリーの店でもタトゥーがゴリゴリに入った店員がラフな接客をしていたりしますからね。
――マイクさんもあえてそういうスタイルを選択しているんですもんね。
日本人はどちらかというと、スーツを着た店員の丁重な接客を求める人の方が多いのかもしれませんが、僕は自分のスタイルを変えてまでやりたくはないので。それに日本で気に入られなくても、うちは海外のお客さんとの取り引きが多いので、あまり気にならないということもあります。
――なるほど。
それぞれのスタイルがあるんでね。逆に僕がスーツを着てネクタイを締めてニューヨークに行ったら、誰からも相手にされなくなると思います。それこそリル・パンプもメイウェザーも、僕がスーツ着て「いらっしゃいませ」と言ったら、話もせずに帰っていったでしょうね。
――確かに!
こういうスタイルでやることで、文化的背景の共通項を持つお客さんとつながることができるんだと思います。
――ちなみに、メイウェザーさんは何か買っていきましたか?
いや、何も買わないんですよ。いつも来るたびに「これはタダでもらえるのか?」って聞いてくるだけ(笑)、残念ながらまだお買い上げいただいたことはないんです。
――そうなんですね! 意外でした。まだまだ聞きたいことはいろいろあるのですが、今回はこのへんで。ありがとうございました。
※
膝を交えて話を聞くだけで、マイクさんからもみなぎるプラスエナジーのようなものが確かに感じられた。銀座で一際異彩を放つTRAX TOKYOと、ビジネス界の異才・マイク氏からは、当分目が離せそうもない。
取材・文/佐藤誠二朗