億万長者を多数相手にしてきたマイクさんから見た、
本当に豊かな人とは
――こういうご商売をしていると、人の浮き沈みみたいなものが目についたり、考えたりすることもあるんじゃないですか?
確かにそうですね。いろんな種類のお金持ちを見てきているので。僕自身も浮き沈みしてきましたしね。
――これまでにどんな失敗を?
人からだまされたことなんて、いっぱいありますよ。この商売を始めてまだ日が浅いときに、取引業者に5000万円の時計を持ち逃げされました。結婚して間もない頃だったので、さすがにその時は周りのみんなから「大丈夫か?」と、とても心配されました。
――ひぇー! それは大変ですね。
でもその時に唯一、「よかったな」と言ってくる人がいたんです。
――どういう意味ですか?
僕のことを可愛がってくれる、不動産で大成功した70歳ぐらいのすごい方なんですけど。
「よかったよ。おめでとう! お前はこれで、やっとビジネスマンの入口に立った」と。
――うわあ、なんだかすごい話だ。
「5000万くらい乗り越えられなかったら、一流のビジネスマンになんかなれない。神様がいい試練をくれたなー」って言うんです。その時はこちらもいっぱいっぱいだったので、そんなに響かなかったんですけど、しばらくしてその方から、僕んちに新車が届いたんですよ。
――ええ!?
「真面目にやってれば、絶対にいいことがあるんだ。頑張れよ」って、僕を励まそうと車をプレゼントしてくれたんです。
――めちゃくちゃかっこいい人ですね!
それからは悪いことや嫌なことがあってもいちいち動じず、「その倍を稼いでやるぞ」とプラスのエネルギーに変えられるようになったんですよ。
――なんだかスケールが桁違いすぎて。遠い世界の話って感じです。
いくらお金を持っていても、マイナスエネルギーの強い方は僕の中では成功者とは思えません。こんな高級時計を売っていて矛盾しているかもしれませんが。高いものを買っときながら、人にお金を使えない人っていっぱいいるんですよ。
――マイクさんに車をプレゼントしてくれたその方は、プラスエネルギーの塊みたいですよね。
そうです。でも世の中には、6000万円の時計を買うほどお金を持っているのに、ご飯では1円も出さなかったり、細かい数字まできっちり割ったりする人もいて(笑)。「この人はなんでこんなにケチなんだろう。これで成功者と言えるのかな?」と疑問に思ったりもします。
はっきり言うと僕自身は、いまだに個人の貯金なんて全然ないんですよ。銀行に貯金していても何にもならないと思うタイプなんで、ガンガン使っちゃうんです。飯を食いに行ったら、年上だろうが年下だろうが僕が全部払いたいんです。その方が気持ちいいんで。
――すごい。かっこいいですね。