いま、なぜ、百貨店がグルメ冷食?

ギンザフローズングルメの売場は、黒を基調にしたシックでプレミアム感のあるオリジナル冷凍ショーケースが4台。冷凍食品(一部アイス)の品揃えは、約50ブランド・350品で、いずれも売場担当厳選のプレミアムな美味しさを提供する商品ばかり。オリジナル保冷バッグも販売。専用キャッシャーでは、ドライアイスマシンで使えるコインがもらえます。もちろん冷凍配送もOK。美味しい冷凍食品の品質をそのまま家に持ち帰れるような、万全の準備が整っています。

売場には連日多くの買い物客が訪れて早くも大人気となり、同店が予想した売上の3倍以上で推移しているとのこと。余談ですが、同売場より1日早くオープンした、イオンの冷凍食品専門店「@FROZEN」(新浦安駅前)でも、人気外食ブランドの商品やイオングループのフランス発冷凍食品、Picard(ピカール)が絶好調との情報が流れてきました。消費者はいま、従来のスーパーの売場にはなかった冷凍食品、少し高価格帯であっても、美味しい冷凍食品を求めているようです。

いま、なぜ、グルメ冷食が関心を呼んでいるのでしょう。その背景に、2020年春からのコロナ禍があることは明らかです。家庭で過ごす時間が長くなり、買い物頻度も低下すると、生鮮や日持ちのしない惣菜より冷凍食品が便利で無駄が出ません。実際、松屋銀座でも、来店客から「冷凍食品はありませんか?」とたずねられることが増えていたそうです。

また、コロナ禍のテレワーク、外出自粛で、毎日3食の料理疲れが出てきて、ランチや夕食の1品など、手軽に手間無く利用できる冷凍食品を食べる機会が増えました。しかも、買って食べてみると美味しい、ということで、冷凍食品の新規ユーザーは過去2年でかなり広がり、そのニューカマーがリピーターとなって定着しています。

家で気楽に、美味しい冷凍食品を食べる。冷凍食品をおつまみに、ゆっくりお酒を飲むことにも慣れた方々が増え、記念日などのハレの日は、外食に代えて、ちょっと高額でも美味しい冷食の料理を食べたいという新たなニーズが生まれたようです。

そこに、シェフレシピの冷凍食品や、老舗店、人気店の冷凍食品が、ぴったりとマッチしました。