コロナ前の形に戻ることが予想される「行動観察」試験
――具体的には、どのように入試内容が変わると予想されますか?
「まず、行動観察試験では、この2年間は子ども同士の接触を避けるために、命令指示行動(先生が説明、指示したことを行えるかを観察する)が多かったのですが、その形式が減り、コロナ禍以前も行われていた、自由遊びや相談して作ったものを使ってごっこ遊びをするという内容が増えるのではないかと考えます。
人の話を聞くことに加えて、自分の意見をしっかりと伝え、他者と協力してやり抜くことができるかどうかが重視されるのではないでしょうか」
――コロナ禍以前の形式に戻るのであれば、対策はしやすいようにも感じますが……。
「子どもにもよりますが、コロナ禍でマスク着用、人との接触を制限されて育った子どもたちは、お友達や先生の表情を見て、相手がしたいことや考えていることを想像するのが苦手という傾向があります。
また、自分の考えを発言するということについても、苦手意識をもっている子は少なくないと思います。事実、弊社の教室でも、コロナ禍以前は『聞いて聞いて!』と我先に話をする子が多かったのですが、現在は何か質問をしても、子どもたちが『話してもいいのかな』と周りを気にして、教室がシーンとしてしまうことがよくあります。
そういった変化がある中で、友達や先生とコミュニケーションを取れるかどうかを見られるというのは、以前よりもハードルが高くなっている可能性がありますね」