問題集では対応できない問題が増えている

――ペーパー試験についてはいかがですか?

「ペーパー試験は、より子どもの『考える力』を問うような、生活に密着した問題が増えることが予想されます。

小学校受験の難易度が上がる?コロナ禍チルドレンがぶつかる入試の壁とその対策_01
典型的な回転推理の問題「観覧車」(こぐま会提供)
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画像は、小学校入試の問題の中で難しい問題の一つである、回転推理の問題です。

例えば『ゾウが右回りでキツネのいるところまで行くと、キツネは、今誰がいるところまで行きますか?』と問われます。これだけなら指で数えれば追えますね。

次に『ゾウが右回りでキツネのいるところまで行くと、今ゾウがいるところには誰がきますか?』という問いが出ます。少し難しいですが、受験対策をしている子どもは解き方を知っており、『パンダ』と答えます。

しかし『どうして反対回りに数えるの?』と聞くと、『お母さんにそう教えてもらったから』といい、その仕組みを説明できない子がいるんですよね。

これは、実体験が足りておらず、知識が体験に基づいていないことに原因があります。必ずしもコロナ禍のせいだけではありませんが、長らく行動制限されていたことを考えると、全くの無関係でもないと思います。

体験に基づかない知識はいずれ忘れてしまいます。事実、幼児期に受験対策として知識を詰め込んでも「考える力」が身についていないため、入学後の応用問題(特に算数)が解けないということがよくみられるようです。

小学校受験の難易度が上がる?コロナ禍チルドレンがぶつかる入試の壁とその対策_02
「小学校入試は、以前の難易度に戻る」とこぐま会代表の久野泰可氏