子どもに必要なのは、「訓練」よりも「経験」

――来年度以降に受験する子どもたちも、幼児期をコロナ禍で過ごした子たちです。こうした入試形式の変化を受けて、家庭でできることはありますか。

「やはり、実体験の機会を増やしてあげてほしいなと思いますね。

ペーパー試験のために必死に暗記し、記憶するのではなく、実際に手を動かして積み木を積んだり、街に出かけて先ほどの観覧車のような実体験をしてみたりすることで、『経験を伴う知識』にしてあげてほしいです。

弊社では、コロナ禍の子どもでも経験できる、『お料理づくり』のお手伝いを学びにつなげる教材を作っています。こういったものを活かして、豊かな経験を積んでほしいと思います」

小学校受験の難易度が上がる?コロナ禍チルドレンがぶつかる入試の壁とその対策_03
こぐま会が発行する「じぶんだけのおりょうりれしぴ」(定価440円)

――今後も加熱が予想される小学校受験ですが、久野さんが受験を目指すご家庭に伝えたいことは何でしょうか。

「子どもの視点を忘れないでほしいということです。

現在、受験ビジネスが盛んになっており、難しい問題をたくさん解かせる塾、ついていけずに泣いている子どもには教室から出てもらうという塾もあると聞きます。

そういった塾は、子どもを育てるという視点よりも先に『とにかく合格させる』ことがゴールになっています。こうしたプロセスを問わない教育は、将来の基礎を育てる教育とは真逆な教育だと思います。これは子どもの心の成長の阻害にもつながります。

合否という結果が伴うといえど、子どもたちにとって最初の学びであるということを念頭に置き、当事者である子どもの心や視点も忘れずに、家族で足並みを揃えて頑張ってほしいなと思いますね」

取材・文/マサキヨウコ