欧州でプレーする選手も出番なしの中で…
エクアドル戦の67分から出場機会を得た相馬はもともとウイングながら、今季は所属先で左ウイングバックを任されている。それもあって守備に自信をつけており、投入されるやいなやボールを持った相手に激しくぶつかっていき、ファウルになったものの、新たな身上でアピール。
また得意のドリブル突破も何度か見せ、危険なクロスを放つこともあった。総じてポジティブな内容だったと言って差し支えないはずだが、本人は「結果を出したかったので、チームを勝利に導けなかったところに悔しさが残る」と試合後に話した。
また2試合を通じて23分ほどの出場にとどまり、「やりきった感は……難しいですね。ここで終わりというより、チームに帰ってからのプレーを見られると思うので、自分がやれるところを示し続けていきたいと思います」と続けた。
湘南のふたり、(先日の記事でも取り上げた)GK谷とFW町野にとっては悔しい欧州遠征となったか。前者には一度も出番がなく、後者はアメリカ戦の後半から投入されながらも、得意のシュートを一本も放てず、縦パスが入った時には強力なCBの圧力に屈してボールを収めることもままならなかった。
「世界の壁というか、そういうものを肌で体感できたのが、唯一の収穫というか」と翌日の練習で町野は正直な胸の内を吐露した。
「(味方が)しっかりビルドアップしてくれていたので、中盤と繋がってゴールへ向かうことを意識していましたけど、得点はおろか、シュートも打てていないので、全然ダメでした。いつも対戦している日本の相手と比べると、(アメリカのDFは)腕の強さや足の長さ、強度の高さ、スピードなどが全然違いました」
欧州でプレーする選手でも、瀬古歩夢と旗手怜央には一度も出番がなかった。彼らを含め、サバイバルの行方はいかに。それぞれの所属クラブに戻って、残された少ない時間でアピールを続けるしかない。
取材・文/井川洋一 写真/ムツ・カワモリ/アフロ