山根視来、谷口彰悟のチャレンジ

それでも代表には「自分は毎回、チャレンジャーの気持ちできている」と話し、レギュラー格の酒井宏樹、そして代表では中央でもクラブでは右を担うことの多い冨安健洋とのポジション争いに「全力で」挑んだ。

9月23日のアメリカ戦で、途中から冨安が右SBを任されたこともあり、エクアドル戦に先発した山根は重圧を感じていたかもしれない。序盤からやや堅そうに見え、チームと同様に落ち着くまでに時間を要した。

「ゴールに絡むのが自分の特長だと思うので、そこは強烈に出していきたい」と試合前日に話していたが、手強いエクアドルを前にそんなシーンもなかなか作れなかった。それでも前半35分には高い位置で鋭い縦パスを送ったが、その後がつながらずチャンスとはならなかった。守備面でもドリブルで巧みに仕掛けてくる相手に苦しむ場面が何度かあった。

「グラウンドの状態もあって、プレー判断が難しいところがありました」と試合後に山根は明かし、「攻め上がった時にあとひとつ繋がればというシーンもつくれましたが、数字を残さなければ僕のいる意味がない」と悔やんだ。

谷口は今回招集されたCBのなかでは、吉田麻也と冨安に次ぐ存在と言え、エクアドル戦では最終ラインを統率した。全般的にそつなくこなした印象だったが、後半にミケル・エストラーダをボックス内で倒してしまいPKを献上。GKシュミット・ダニエルのビッグセーブでことなきを得たが、W杯に出場するクラスの選手のキープ力や強度を痛感したようだ。

「W杯に出る国とあって、(エクアドルは)非常によいチームでした」と試合後に谷口は語った。

「そんな相手を上回れなかった悔しい思いはもちろんあるけど、(W杯では)こういう戦いになるんだろうなと感じられました。これぐらい強度の高いゲームをすれば、次に生きてくるはず。駆け引きや1対1など、個人的にはレベルアップが必要ですが、ラインコントロールとかは、みんなで集中力高く統一感をもってできたのはよかった」