価値観が違ってもいい、夫婦2人でできることを増やす
――妻のグミさんはFIREに反対されなかったのでしょうか
妻は地元に戻りたいという希望があったので、早期リタイアして地方移住する考えは共有できていました。ただ、家計管理については価値観が合わずに毎日ケンカばかり……。1日数時間、年間にすると最低でも500時間超のケンカが3年は続きました。
妻はディズニーが大好きで、グッズも含めて年間50万円は使っていました。幸せに生きるために必要な出費だというのですが、そういう価値観の違いも正直いって理解できず……。
僕は妻に対して「感情や主観ではなく論理的に考えて欲しい」と言い、妻は僕に「将来のことばかりではなく、目の前の出来事や幸せを大切にして欲しい」と言い合っていました。
――どうやって価値観を合わせられたのでしょう
きっかけは、「ストレングスファインダー(現クリフトンストレングス)」という才能診断です。企業でもビジネスの適性を測るために使われているテストなんですが、これがかなり効果的でした。
妻は「共感性」や「適応性」の資質があり、僕は「分析思考」「未来志向」の資質があるとわかりました。毎日ケンカしていたのは、相手の弱みを改善するようにお互い要求していたからなんです。
強みが違うなら補いあって夫婦としてできることを増やせばいい。どちらかが正解なわけではないので、互いの価値観を尊重しようと思いました。それからはケンカをしたとしてもぶつかり合うのではなく、どのようにすればお互いの違いを活かして協力できるかを考えるようになりました。
子どもたちも無事ディズニー好きに育ったので、家族みんなを幸せにする出費として納得しています。
――資産の管理で揉めることはありますか
お互いの価値間がしっかり理解できていると、お金も価値観に合った使い方になるので、揉めることは少なくなります。お金だけでなくスマホの情報やSNSアカウントも基本的には一緒に管理しています。これも、行動原理はシンプルなほうがよいとの共通認識があるから。ただ、洋服も共用しようとしたのは断られましたが(笑)