日本人はなぜか歌謡曲のメロディを捨てられないー中森明菜再始動宣言・マーティがその魅力を読み解く_02
ハワイに住んでいた幼少期、日系人が聴いていた演歌をきっかけに日本の歌謡曲に興味をもちはじめ、『紅白歌合戦』も観ていたという

マーティを驚かせた明菜の『瑠璃色の地球』。本家・聖子版を超えた!?

――ところで、80年代を代表する歌姫・中森明菜さんが8月30日にTwitterアカウントを開設し、再始動宣言をしました。NHKで放送された1989年に行われたライブのリマスター版の放送も大好評でしたが、明菜さんの曲は聴いたことありますか?

外国人の割に日本の音楽に詳しいけど、知識に変なアナがあるから、明菜ちゃんはあまり聴いたことがないんですよ。(松田)聖子ちゃんが大好きだから、カバーした『瑠璃色の地球』は聴いたんだけど、ビックリしたよ。

――明菜バージョンの『瑠璃色の地球』は2002年に発売されたカバーアルバム『-ZEROalbum- 歌姫2』と2006年に発売された松田聖子トリビュートアルバム『Jewel Songs』に収録されていますね。驚いた理由とは?

明菜ちゃんは声や歌い方が絶妙に優しくて、曲の切なさを綺麗に表現していて感動しました。アレンジも美しい。僕は聖子ちゃんが歌うこの曲が大好きだったんだけど、明菜ちゃんは聖子ちゃんバージョンを超えました。簡単な曲じゃないですよ。まるで自分の曲のように歌いこなしていて、トリビュートアルバムで最も目立った曲です。

――80年代は「二人はライバル関係」が世間の共通認識だったんですが、ご存知ですか? 

僕はそのことを知らなかったんですよ。普通はライバルの名曲を歌わないじゃん。そういうところも明菜ちゃんは素晴らしいです。

――その視点での感動もあるんですね! では、ここからは2014年に発売されたベストアルバム『オールタイム・ベスト-オリジナル-』を聴きながら、楽曲レビューとその魅力について探っていきたいと思います。

僕は全然知らないから、リアルタイムを知らない平成世代と同じ感覚で聴けるね。