監督交代が相次ぐガンバとヴィッセル

日常的なマネジメントで、巨細なく選手のメンタルに目を配るしかない。

<選手が現場の戦いに満足しているか。苛立って、ストレスを抱えていないか>

集団をマネジメントする人間は、そこを見極めるべきである。なぜなら、サッカークラブだけでなく、会社でも役所でも不具合を抱えた集団では、どれだけ素晴らしいメンバーで、偉大なリーダーの差配であっても、効果は最小限になってしまうからだ。笛吹けども踊らず、たとえ個人の能力差で勝てたとしても、長続きするものではない。

ガンバも、ヴィッセルも、選手が少なからずマネジメントに不満を抱いていた。

ガンバの選手たちは、昨シーズンまでの宮本恒靖監督の時代からストレスを受けている。例えば数値化されたトレーニングは総じて不評で、選手からタフさを徐々に奪っていった。さらに言えば、関西人特有の自由闊達さの喪失までもたらしたと言える。

そして今シーズンも、片野坂知宏監督の指揮の下、選手の捉え方に断層があったことは否めない。大分トリニータで片野坂監督が一つの成果を出したシステムは、控え目に言って機能しなかった。それは監督自身が「選手ありき」に軸が揺れ、フォーメーションも変えるなど戦い方が徹底されなかったことにも理由がある。そこで生じた迷いや焦燥が、試合中の選手同士の怒鳴り合いの喧嘩にまで発展したのだろう。(別稿:ガンバ大阪・片野坂監督解任! 世界の名将たちにみるチームを強くするマネジメント力

一方でヴィッセルはガンバ以上に、監督のクビをすげ替え続けている。2019年から3年足らず、ファン・マヌエル・リージョを皮切りに吉田孝行、トルステン・フィンク、三浦淳寛、リュイス・プラナグマ・ラモス、ミゲル・アンヘル・ロティーナ、そして再び吉田…。目まぐるしく変わる状況を、現場で戦う選手が歓迎するはずはない。

「バルサ化」。

かつてチームは大それた目標を掲げたのが、今や懐かしい。リージョは最高の体現者で、フィンクもぎりぎり路線を守っていたが、「守りありき」のロティーナは理念から違った。三浦、吉田に至っては、フロントの強い意向を実行するだけだった。

世界最高のサッカー選手と言えるアンドレス・イニエスタも、その歪みの中で今シーズンは苦しんでいる。監督がリーダーシップを失う中、他の選手が前からのプレッシングで押し込むサッカーを求めるようになり、体力的に厳しいイニエスタはジレンマを抱えることになった。宴は終わりに向かっているのだろうか…。