成長痛とケガに苦しんだ3年間 ダルビッシュ有(東北)
だが、そんなダルビッシュを苦しめたのが度重なるケガ。高校入学当初から骨の成長に筋肉や関節の成長が追いつかず、ヒジやヒザの痛みをかかえる成長痛に苦しむ日々。加えて、甲子園に初登場となった2003年春、第75回センバツでは、つめかけた女性ファンに腕を引っ張られ、右脇腹に全治2週間というケガ。3回戦で敗退する原因となった。
その年の8月、第85回夏の甲子園では1回戦で腰を痛め、途中降板。なんとか決勝に辿り着いたものの、相手は春・夏あわせて優勝2回、準優勝2回を数える名将、木内幸男監督率いる茨城の常総学院。万全の状態でなければ抑えられる相手ではなく、2対4で敗れてしまう。
2004年、第76回春のセンバツでは、1回戦の熊本工(熊本)戦で大会史上12人目、10年ぶりとなるノーヒットノーランを達成。しかし、2回戦を前に今度は右肩を痛め、準々決勝では登板回避して外野の守備へ。試合は東北が6対4とリードしながら、9回裏にサヨナラ3ランを打たれて敗戦。レフトを守っていたダルビッシュは、自分の真上を飛んでいくそのホームランをただ見送ることしかできなかった。
高校最後の夏の甲子園では、1回戦、2回戦を連続完封。だが、3回戦では延長戦の激闘の末、1対3で敗退。ダルビッシュは「最後の打者」として打席に立ち、見逃し三振。のちのメジャーリーガーでも、甲子園優勝は遠い夢だった。