「東京ばな奈」は女の子。だからリボンも結んでいます

——今回はじめて知ったのですが、「東京ばな奈」の正式名称は『東京ばな奈「見ぃつけたっ」』だそうですね。この特徴的なネーミングは、どのように生まれたのでしょう。

要素が多いので、順番に説明しますね(笑)。「東京」の部分については、先ほどご説明した通りです。「ばなな」を「ばな奈」としているのは、当時女の子の名前に「奈」をつけることが流行っていたことに由来していて、みなさんの家族や友だちのように、親しみを持ってもらえる商品にしたいという思いが込められています。だから、「東京ばな奈」は女の子なんです。

——東京ばな奈は女の子……! お菓子の性別については考えたことがありませんでした。

パッケージのデザインにリボンがあしらわれているのも、「東京ばな奈」が女の子だからだそうです。ちなみに画像データしかなくて恐縮なのですが、今日は発売当初に使われていた栞(お菓子の箱のなかに添えられた説明書き)を持ってきました。よろしければご覧ください。

東京ばな奈が、東京土産の大定番になったワケ。バナナの日に振り返る、30年の歴史_2

——貴重な資料をありがとうございます!ちなみに、栞にプリントされているこの女性はどなたでしょう?

実はこの方、当時弊社で働いていた販売員さんなんです。というより、今も弊社で元気に働かれています(笑)。東京の女の子のイメージとして顔写真を使わせていただいたそうです。

——えええ、そうなんですか。その方が、今も在籍されているというのが、本当にすごいですね……! 話が少し戻ってしまいますが、「見ぃつけたっ」の由来も教えてください。

みなさんの思い出のなかにかくれんぼしているバナナの味を見つけてほしいと、そんな思いを込めて「見ぃつけたっ」までを正式名称としています。

——やっぱりキーワードは「親しみ」と「懐かしさ」なんですね。

もう一つキーワードをあげるなら「優しさ」でしょうか。バナナ香料を使わず、本物のバナナを裏ごししてクリームをつくっているのも、バナナの優しい味わいを追求したいからです。スポンジケーキもしっとりふかふかと優しい口当たりになるよう、火加減を細かく調整しながら焼き上げています。