『チャンス』(1979) Being There 上映時間:2時間10分/アメリカ
監督:ハル・アシュビー
出演:ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン
ピーター・セラーズといえば『ピンク・パンサー』シリーズで知られるイギリスのコメディアンですが、この作品はまったく毛色が違ってまじめな物語。本作でピーターは知的障害がある庭師のチャンスを演じていますが、偶然出会った政財界の大物が彼のことを預言者だと誤解するわけ。セリフも覚えています。チャンスはただ純粋に、まじめに、「I can see」なんて言うわけ。それなのに周りの人は「未来を見ている!」とどんどん誤解をしていく。皮肉な風刺劇ね。大好きな作品です。
『フィッシャー・キング』(1991) The Fisher King 上映時間:2時間17分/アメリカ
監督:テリー・ギリアム
出演:ロビン・ウィリアムス、ジェフ・ブリッジス
私の大好きなロビン・ウィリアムスがニューヨークのホームレスを演じた物語です。この主人公は妄想を抱いていてね、キリスト教のシンボルである聖杯を探す使命を神から与えられたと思っていて、ジェフ・ブリッジスが一緒になって探していきながら、不思議な物語が広がっていきます。現実の物語だけど、ちょっとファンタジーが混じっていて、そこが魅力的です。
『日の名残り』(1993) The Remains of the Day 上映時間:2時間14分/イギリス・アメリカ
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、クリストファー・リーヴ
カズオ・イシグロの原作を、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンで映画化したイギリスの貴族の物語です。貴族に仕える執事のトップをアンソニーが、女中のトップをエマが演じているので、お互いに思い合っているのに愛なんかささやけないの。そこは非常に日本にも通じるものがあり、イギリスの貴族社会的だなと思いました。すぐにキスをしちゃう映画とは違う(笑)。雨の中で感情を抑えに抑えて、手を握って終わるのがとっても情緒的でね。英語もすごく綺麗で聞き取りやすいと思います。
取材・文/松山梢 イラスト/Chie Kamiya
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