古川容疑者に「滅菌カップをどっかに持っていったの?」と尋ねると…

長谷川病院長によると、別の患者の清拭のため4人部屋に入った准看護師のAさんは会田さんから「苦しい」との訴えを聞き、病院全体の看護を管理していた看護師長のBさんや救急外来のスタッフに助けを求めた。

会田さんは前夜10時ごろから尿路感染治療のため右脚のふくらはぎ付近から抗生物質を投与する点滴を受けていたが、本来透明なはずのチューブが、体に入った針のそばまで数十センチに渡って異常に変色していることに駆け付けたBさんが気づいたという。

「看護師長Bは当該点滴ルート(チューブ)を写真撮影して抜去し滅菌カップに収納し、その滅菌カップを足元に置いて新たな点滴ルートを挿入しました」(長谷川病院長)

滅菌カップとは内部が滅菌処理された保管容器のことだ。ところが処置を続ける中でこの足元にあったはずの滅菌カップがなくなっていることにBさんが気づく。

犯行に使われたのと同じ点滴用の延長チューブを示す柏たなか病院の長谷川奉延病院長。長さ約55センチのチューブのうち、小指で差した青い突起がある「側管」と呼ばれる部分から注射器で大便をチューブに混入させたとし、そこから下端までが茶色く変色していたという(撮影/集英社オンライン)
犯行に使われたのと同じ点滴用の延長チューブを示す柏たなか病院の長谷川奉延病院長。長さ約55センチのチューブのうち、小指で差した青い突起がある「側管」と呼ばれる部分から注射器で大便をチューブに混入させたとし、そこから下端までが茶色く変色していたという(撮影/集英社オンライン)

このとき、会田さんへの緊急の措置に関わっていなかった古川容疑者が病室にいることに気づいたBさんは「滅菌カップをどっかに持っていったの?」と尋ねる。すると容疑者は「スタッフステーションに移動させた」と答えたという。

これを聞いたBさんは、容疑者の言葉通りチューブの入った滅菌カップをスタッフステーションで発見。ところが中にあったチューブが、先ほどカップに入れたものとは様子が異なっていた。異常な変色がなく、透明だったというのだ。

長谷川病院長は

「チューブそのものを入れ替えた可能性もあると思いますし、点滴チューブですので何かの液を入れてもう1度押し流せば結果としては同じこと(チューブが透明に)なると思います。その可能性もあると個人的には推測します」

と話す。