どんな女性が極右を支持しているのか
国民連合に投票する女性には、どのような傾向があるのだろうか。統計によれば、国民連合への支持は、非正規雇用、低学歴、低〜中所得層の女性において相対的に強い。
ただし、最も貧しい層はそもそも投票に行かないことが多いため、国民連合が貧困層を大規模に政治参加へと動員しているというよりも、あくまで投票に来た低所得層のなかで比較的強い支持を得ている、と理解するべきである。
しかしこうした傾向は、極右ジェンダー・ギャップが消失しつつある理由の一端を示しているのではないか。2008年以降の経済危機と雇用の不安定化は、女性が多く従事してきたサービス部門の労働に内在していた低賃金性、不安定性、社会的評価の低さといった問題をいっそう強めた。
これにより、従来は男性中心の工業労働者層の地位低下と結びつけて語られてきた社会的不満や閉鎖的なアイデンティティ形成を促す条件は、女性のサービス業労働者のあいだにも共有されやすいものになったのである。
国民連合の票は、最も貧しい人々や、社会から完全に排除された人々の票というよりも、上からは軽視され、下からは社会的扶助を受ける人々に追い越されていると感じるような、中間的で不安定な層の「三角形意識」に根を持つ。
つまりこの層には、「エリート」への反発と同時に、生活保護や社会保障に依存していると見なされる人々への反感も存在する。そのため、国民連合の反エリート的かつ反福祉依存的な語りは、「尊厳」や「まじめに働く者の不満」と結びつくことで、一定の説得力を持つのである。
とりわけ、保育や教育といった公共サービスの劣化を日常的に感じる場面では、「国民優先」による保護を求める感情は強まりやすい。ここで問題になっているのは、単なる個人としての不満ではなく、家族や生活の維持に関わる不安である。
18〜29歳でルペンへの投票を申告した女性に、同年代の男性や全体平均と比べて既婚・同棲の割合が高いことは示唆的である。そこからは、カップル内で投票選択が共有される傾向、さらには世帯単位で政治的選択が形成される傾向がうかがえる。したがって、女性を極右投票へと向かわせている要因の一つは、単なる反移民感情というよりも、家族生活の維持を国家的保護によって支えようとする「社会的再生産保護主義」の訴求力なのではないか。













