昼食も取れず…元配達員が語る過酷な日常
なぜ、休憩をきちんととれないのか。
「個人宅だけでなく、近隣の方が決まった時間に集まって商品を受け取るグループ配達もあるので、時間通りに行かなければなりません。
遅れや商品違い、商品不良、担当者の態度などのクレームはコールセンターに入り、毎朝の朝礼で共有されます。理由の説明や改善点を求められたりするので、かなりプレッシャーがあります。
さらに、配達員は通常、担当コースがあって同じ地域を回るのが基本ですが、欠員がでるとまったく知らない地域に行かされることもあります。地図を見ながら初めての場所を回るので、時間もかかりトイレや休憩の場所もわかりません。
委託会社では人手不足が慢性化しており、役職のある社員も穴埋めでいろいろなコースに入ることになります」
では、配達中のトイレはどうしていたのか。
「配達用の地図にトイレの場所を記しておく決まりはありました。ただ、実際には印がついていないコースもありますし、都内では車を停める場所自体がなかなかありません。コンビニでもトイレが使えないところがあります。私がいた会社では、5〜6年前から車内に携帯トイレを常備するようになりました」
A氏のいた会社で配布されていたのは、尿を袋や容器で受け、凝固剤で固めて処理するタイプの簡易トイレだったという。だが、配達中の車内で実際に使用することには心理的な抵抗があったという。
「携帯トイレを実際に使っている人は多くはなかったと思います。車内で使うところを見られる可能性もありますし、使ったものを車内に置いたまま配達を続けるのも嫌ですよね。
だから、トイレに行きたくならないよう、水分を取らない人も珍しくありませんでした。私自身も、配達中は飲まず食わずに近い状態で、昼ご飯も何年もまともに食べていませんでした」














