「携帯トイレを渡しておいて何を言っているんだ」

A氏が疑問を向けるのは、コープみらいが「配送車両の中で排尿した例を確認したのは今回が初めて」と説明している点だ。

「そもそも携帯トイレを常備させている時点で、車内で排尿せざるを得ない状況があることは想定しているはずです。現場を知っている人間からすると、配達中にトイレへ行けないことは特別なことではありません。

それなのに『車内で排尿した例を確認したのは今回が初めて』と言われると、携帯トイレを渡しておいて何を言っているんだ、という気持ちになります」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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トイレに行きづらい状況を知るA氏は今回の件を聞いたとき「トイレに行けなくてやってしまったのかな」と驚きはなかったという。

そのため、コープみらい側の説明には、現場の実態が十分に反映されていないのではないかと指摘した。

A氏が指摘する委託配送の現場の実態について、コープみらいに質問状を送ると次のような回答があった。

〈配達コースによって件数に差はありますが、配送委託先と連携し、業務負荷の適正化に継続して取り組んでいます。現在、1日の配達件数は平均約60件です。また、業務用スマートフォンを活用して休憩取得状況を日々確認しており、制度上定められた休憩時間はほぼ取得されていると認識しています。

携帯簡易トイレは、災害等の緊急事態により通常のトイレが一切使用できなくなった場合を想定して、トラックに常備しておりました。通常の配送業務中における使用を想定したものではありません。なお、今回の事案においても、当該簡易トイレは使用されておりませんでした。配送車両内での排尿については、今回の事案以前に報告された事実はございません。

今回の事案は配送委託先会社および従業員個人の責任にとどまらず、労務環境や業務運営のあり方も含めて、組織全体の問題として真摯に受け止めております。

具体的には、全ての配送委託先およびその従業員、当生協職員が安心して業務に従事できるよう労務環境を再点検するとともに、従業員の身体・健康面への適切なサポートを行ってまいります。あわせて、配送ルート上のトイレの事前確認と情報共有、緊急時に立ち寄り可能な施設リストの整備・周知など、必要な対策を迅速に講じてまいります〉

Aさんは委託業者に負担がかかりやすく、その先に厳しいトイレ事情がある構造を明かしてくれた。再発を予防し、信頼を取り戻すためにはこの構造の改善が必要だろう。

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取材・文/鮫島りん 集英社オンライン編集部ニュース班