ヤクルト快進撃も「バントなしで優勝したチームはなし」

――開幕から1ヶ月でもっとも話題を集めているのは圧倒的下馬評の低さながら快進撃を続ける “池山ヤクルト”かと思います。江本さんもシーズン前の順位予想でヤクルトを最下位にしていましたね。

江本孟紀(以下、同) ヤクルトは全解説者に感謝しないと。

――なぜですか?

あれだけ前評判が悪いと選手たちも気負いなくのびのびプレーできるでしょ(笑)。野球をやる上でこんなに楽なことはない。

上を狙ってるチームは監督も采配にすごく気をつかう。阿部(慎之助)なんてそれでドツボにハマってる。ヤクルトや池山にはその呪縛がないからイケイケだね。

――ベンチで大喜びするなど、感情を隠さない姿がファンにも好評のようです。

池山は人間的にもいいヤツで、今はその素の明るさから選手たちもやりやすい環境になってる。でも、負けが込み始めたらショボンとしてチーム全体の元気もなくなっちゃうかもしれないよ(笑)。

今季から復活したつば九郎とよろこびを分かち合うヤクルト池山監督(写真/共同通信社)
今季から復活したつば九郎とよろこびを分かち合うヤクルト池山監督(写真/共同通信社)
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――“バントなし野球”はどうでしょうか?

バントをしないで優勝したチームなんてないよ。する癖をつけとかないとこれから先、必要になった時にしっかり決められないし、首脳陣に迷いも生じてくる。今のままバントなしを貫くとたぶん最下位になるね。野球ってそういうスポーツだから。

――課題だった投手陣もかなり安定しています。

まだボロが見えてないだけだよ(笑)。3番に強打者でもないキャッチャーだったり8番にピッチャーを置くのもそのうち上手くいかなくなる可能性がある。そうなれば勢いは止まっちゃうよね。1年目の監督ってだいたいそういう奇抜な采配をしたがるから。

ただ、ヤクルトは思わぬ優勝をすることがある。他のチームが調子を出せないうちにね。阪神が食らいついてるけど、巨人と広島はガタガタでしょ。中日はもっとガタガタ。ベイスターズはアナリストとかいって素人をベンチに入れてるから論外。

そうなると、ヤクルトがそのままいっちゃうこともなくはない。交流戦までをどう乗り切るかにかかってるんじゃないかな。

―― 一方で、下馬評の高かった中日が苦戦しています。

解説者たちは上にきそうなチームが他にないから、消去法で中日を上位に予想しただけ。俺は4位予想だったけど、まわりに流されなくてよかった。

今の成績は別に驚くことではなく、実力どおり。先発ピッチャーをすぐ代えるからいかんね。

でも沖縄の北谷キャンプからすごい客入りだった。誰かスター選手がいるわけではないのに、あれはどういうこと?