情報源と収集方法について

日本語だけの情報源に頼っていると、1、2年遅れるのは普通である。場合によっては数年遅れることもあるだろう。

いくら日本が翻訳文化であっても、翻訳される記事や本はほんの一部であるからだ。最新情報に遅れないためには、英語で読むしかない。

だから私が目を通すのは、圧倒的に英語のニュースである。オンラインで目を通しているニュース関連メディアとその収集方法について紹介しよう。

おもなメディアは「Guardian」「The Wall Street Journal」「The New York Times」「The Washington Post」「Financial Times」「Axios」「The Hill」「POLITICO」「ProPublica」「The Christian Science Monitor」など、たくさんある。

もちろん、すべての記事を読んでいるわけではない。メールで送られてくるNews Alertにはタイトルと要約が書かれている。それをさっと見て本文を読むかどうか決めている。

他にも「The Economist」のような週刊誌もあれば、2017年に設立されたイギリスのオンラインニュースおよび意見サイトである「UnHerd」もすこぶる深い分析をした論説を提供している。

速報性よりも背景の掘り下げに重点を置いているので、深く知りたいときには便利なサイトである。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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日刊新聞で最も信用されているメディアはイギリスの「The Guardian」だ。

「Financial Times」は経済新聞なので、「The Guardian」と比較することはできないが、日刊紙の中では、英語の語彙や表現で最も凝っている。

「The New York Times」や「The Washington Post」はネイティブなら小学校6年生くらいの年齢で読めるほどの英語だが、その中でも洗練された文章はコラム欄で読める。

先述したメディアで洗練された文体のメディアは「The Christian Science Monitor」で、私が読んでいるのはオンラインで毎日流れてくるDaily版ではなく、Weekly版である。内容もかなり深く掘り下げられており、読みごたえがある。アメリカ大統領選中は、特に参考になった。

また、意見サイトとして「Substack」をいくつか購読しているが、これはジャーナリストや学者、クリエイターなどがニュースレター形式でコンテンツを発信し、収益化できプラットフォームである。

2024年12月、25年間「The New York Times」のコラムニストをしていたポール・クルーグマンは、編集方針が合わなくなり同紙を去ったが、すぐに「Substack」に切り替えた。

メディアの編集方針と関係なく、自由に意見を発信することができるので、購読者数はあっという間に何十万人に達した。

その他の情報源としては、医学・生命科学分野の文献データベースでは「PubMed」、一般紙、一般誌であれば「Factiva」や「Nexis」、日本語でも「日経テレコン」や「@nifty」の新聞・雑誌記事横断検索があるが、「Factiva」や「Nexis」は世界中のメディアを扱っている。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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さまざまな言語の媒体を検索でき、私の場合は言語指定を英語か日本語にしているが、中国語ができる人なら中国語の媒体を検索できるので、これ1つあればかなりのリサーチが短時間でできる。

ここで重要なことは、自分の軸を持っていることである。その軸がないと毎日大量に入ってくる情報に振り回されて結局本質が把握できない。

深く知りたいテーマがたくさんあると脳がパンクするので、2つ、3つあればいい。他のテーマは取材依頼が来たときに深く掘り下げればいいからだ。

深く知りたいテーマは短期的なものと長期的なものに分かれる。

私の例で言えば、トランプ大統領が世界中を振り回している関税問題は、短期的なテーマになり、40年前から追求してきた生殖補助医療は長期的なテーマになる。

短期的なテーマは常に変化するが、最初は短期的なテーマであってもそれが長期的なテーマに変わるときもある。

生殖補助医療のテーマも最初は短期的なテーマであったが、問題の深刻さを知れば知るほど、興味が湧き、長期的なテーマになった。

少し離れたところから今起きていることを見ると、それが自分独自の軸になり、そこから世界をみるとわかりやすくなる。

文/大野和基

懐に入る英語
大野 和基
懐に入る英語
2026/4/24
2,200円(税込)
288ページ
ISBN: 978-4087881363

「私のインタビューの99パーセントは英語である。本書はこの40年間使ってきたナマの英語に触れながら、相手の懐に入る方法を具体的に書いた。これはビジネスにもさまざまなシーンで応用できるだろう」(本文より)

ポール・クルーグマン、カタリン・カリコ、カズオ・イシグロ、ダロン・アセモグルなどノーベル賞受賞者の取材は約20名。その他、イアン・ブレマー、マーカス・デュ・ソートイ、ジム・ロジャーズ、ユヴァル・ノア・ハラリら、「世界の超一流知識人・ビジネスパーソン」を40年以上取材し続ける国際ジャーナリストが、そのキャリアで培った「相手の心をつかんで離さない」(=「懐に入る」)英語の上達術を、「知の巨人」たちが会話やメールでよく使う英単語やフレーズ例も多数紹介しながら完全公開!

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