本物の「復興支援」とは
須賀川 それにしてもアメリカのアフガニスタンへの「復興支援」は無秩序でしたね。ぼくも『アフガニスタン・ペーパーズ』を読んでますし、ウィキリークスの資料なども見て、感じていたことはあるんですけれども、この本では中村さんたちの側からの証言が聞けて、そのひどさがありありと浮かび上がるようでした。
山岡 PRT(Provincial Reconstruction Team/地方復興チーム)という組織の任務は復興であり、地元の行政と密着して、どうやって開発していくか、あるいは治安を守るかといったことなんだけれども、上に立っているのは軍人たちで、彼らにそういうノウハウはないわけです。だからうまくいくわけがない。
須賀川 金を流しこんでるだけですね。
山岡 はい。最終的に、250兆円ぐらいのお金がアフガニスタンに注ぎこまれたのですが、そのうち八割から九割は、極端に言うとワシントンとその周辺にいってしまったそうです。
須賀川 以前バグラム空軍基地にいた軍人に話を聞いたんですが、彼も非常に憤っていました。金がジャブジャブで、ありえなかった、と。その人ひとりの話なので、どこまで本当かわかりませんが、当時納入されていたトイレットペーパー1ロールの値段がなんと200ドルだったそうです。そのレベルで金が抜き取られていたら……。
山岡 とんでもないよね。中村さんは使ってもせいぜい十数億円ぐらいの世界だったと思います。それでナンガルハル州を中心に、90万人以上の命を救っているわけじゃないですか。それと比較して、200兆円ものお金をつぎ込んで、混乱しか残らなかったということを考えると、なかなか言葉が見つかりませんよ。だから国連等も、そういった問題に本気でとりくむべきです。
須賀川 中村先生には嫌いなUが三つあると書かれていましたね。USA、UK、UN。もう本当に、全部に嚙みついてるなと感動しました(笑)。国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんとも戦ってましたからね。
山岡 そうそう。中村さんはタリバンを、いわゆる西側の国際社会が抱いているイメージではとらえていませんでした。彼らは土着の人たちの勢力としてあって、治安を守ることに関しては本当にしっかりやってくれていると思っていた。自分たちが用水路をつくる時も、タリバンは保護してくれたということで、決して悪くは言わないわけですね。
緒方貞子さんはしかし「あなたはそうおっしゃるけど、タリバンが女性の権利を抑圧していることは認めるべきだ」というようなことを言って、バチバチやりあう。でもね、結局、緒方さんは中村さんを支えるわけです。これはやっぱり、大人の世界だなと感心しました。そこからアフガニスタン全体に中村方式を広げていったらいいんじゃないか、という機運にもつながっていったんです。















