責任が伴う資格職、今後スポットワーク採用を規制する方向性はある?

タイミーでは保育士の求人も多く見られるが、昨年の2月14日、こども家庭庁から「保育所等におけるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)により採用された保育士の取扱いについて」という通知が発表されており、今年になってXでも話題になった。

この通知には、スポットワークで採用された保育士を、保育士配置基準における最低基準上の保育士定数の一部として充てること、そして、子どもとの安定的・継続的なつながりが重要であるという職業の性質上、短期の雇用を長期的に繰り返すことは望ましくないとの内容が記されている。

こども家庭庁の通知(写真/こども家庭庁HPより)
こども家庭庁の通知(写真/こども家庭庁HPより)

これらは保育所におけるスポットワーク採用が、実質“制限”されていく可能性があると捉えることもできる。

このように、安全面や品質面での責任が伴う資格職を今後スポットワークで採用することに何らかの規制が加わる可能性もあるのだろうか。

「こども家庭庁が発表した通知に関しては、スポットワークの制限にまでは言及しておらず、あくまで資格職は相応の責任やリスクを伴うものであるということを、改めて警告として明文化したものであると考えます。

また事業者や雇用側には、ただスポットワークで雇う方が“便利で楽だから”という気軽な理由で積極的に採用すべきではないということ、スポットワークの人を雇う場合は必要性に応じて慎重に判断すべきだということを周知しているのだと思われます。

スポットワークの資格職求人で重大なトラブルが出れば規制の方向性も当然出てくるでしょうけれど、現時点ではすぐにという話ではないと思います」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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“資格職ばかり”だと一部ユーザーから不満を買っているタイミーだが、今後スポットワーク業界において一強であるタイミーが凋落していく可能性はあるのだろうか。

「資格職ばかりだという理由でサービスとしての人気が落ちていくということはあまり考えられないと思います。

タイミーはスポットワーク事業のみならず、そこから発展して長期就業支援のサービスを開始するなど、さまざまな取り組みをしていますので、多様な活用法が期待できるという意味では、ユーザーに今後も幅広く支持されるでしょう。

“資格職が多い”といった求人の質が問題であるというよりも、求人と雇用でそれぞれ責任の所在が別であることによって生じるトラブルこそがスポットワーク業界の課題といえるでしょう。

例えばタイミーの場合は、かつて出勤時に募集先企業と被雇用者の労働契約が成立するとしていたため、出勤前日や出勤直前に企業側の都合で出勤予定がキャンセルになるといったケースで、被雇用者から訴訟が相次ぎました。

求人を企業が直接掲載すれば、応募の段階から企業に責任が問われるので、このようなトラブルは起こらないはずですが、求人のみを担うタイミーの場合は、こうした特殊な労働トラブルが起こりやすいのです。

スポットワークがはらむこうしたビジネスリスクに、いかに先手を打って対応していけるのかが、タイミー含むスポットワーク業界全体の成長を左右すると思います」

――“資格職ばかり”という不満の声の裏には、タイミーの規模拡大による求人数の増加、またフロー求人・ストック求人といった求人内容による性質の違いなど、さまざまな要因が絡んでいた。

スポットワークのあり方が変化するなかで、利用者と事業者双方にとって最適な形が問われている。

取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio) サムネイル/PhotoAC