「連続7時間以上の勤務を毎日しています」
都内の学校に勤務する30代女性教師は、この報道を受けて次のように話す。
「教師の勤務時間は本来8時15分から16時45分までですが、私の学校では出勤は7時30分で帰宅は早い時で20時、テスト前後などは22時になることもあります。
昼食は5分で急いで食べて昼食指導にあたり、本来決められた15時45分から16時30分までの休憩時間も会議や部活指導などで休みは取れません。ほぼ休憩時間のない連続7時間以上の勤務を毎日しています。こちらの校長がそのような独自休暇を制定してくれたことは教師からしたら感謝です」
また、都内近郊の公立中学校で勤務する30代男性教員もこう語る。
「文科省や市教委には処分を下すだけでなく、現状の改善が必要だと思います。教師の仕事は授業や課題作りだけでなく、各教師に割り振りされる『主任』の仕事が大きく重くのしかかっています。
2月から3月は教科書担当主任の教員は生徒の教科書発注に追われました。これらはできれば教師ではなく、もっと他の人材を確保してほしいところです。担当する科目以外の仕事が多すぎます。残業への補填や、業務改善を期待しています」
いっぽうで都内の公立小学校の50代のある副校長はこう切り捨てる。
「子どもたちにルールを教えている教師がどんな事情であれ、ルールを破るのはダメでしょうね。要はその校長は若い先生に飴を与えて気に入られたかったのでしょう。とはいえ気持ちは分かります。今、若い教師はすぐに厳しいことがあると辞めてしまいますから。
『教師の働き方改革』といいますが、要は若手教師のご機嫌取りで、子どもたちは二の次の改革です。楽しみにしている運動会は『先生の都合』で短縮しますし、部活動も減ってしまった。
20年前、教師は倍率が物凄く高かったし、それなりに志を持って働いていた。それが今では教師不足で、能力も低く、生徒よりプライベートを優先してしまう教師が増えた。それも時代と言ってしまえば、それまでですが…」
名古屋市教育委員会の担当者にこういった教師たちの声を伝えると、「学校教員は生徒の定数で決まっており、人材確保となると財源に関わることで名古屋市だけでどうこうできるものではない」と話した。
また、A校長は今年3月で退職したが、「以前より退職の意向は聞いていた。今回の懲戒処分をもって退職させたわけではない」とも述べていた。年齢的には定年退職の可能性もあり得る。
もちろん法律を破り、勝手に独自の休暇を与えることは許されることではない。しかしその背景に、きちんと正規の休みを取得できない事情があるとすれば、文科省や教育委員会は対応する必要があるのではないだろうか。
独自の休暇を与えていたA校長は、日本の教育現場が抱えている教員の「働き方改革」の問題をどう見ていたのだろうか。
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取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班














