一人でもヒルクライムを続ける――TOCが決意した理由
騒動の直後からヒルクライムは無期限の活動休止となるが、翌年の9月にTOCの1人体制で復活を遂げる。
活動休止中にTOCは、DJ KATSUと二人きりで今後について話し合いを行なったという。
「二人組のユニットだったら普通は“解散”じゃないですか。けど彼は“脱退”という形を僕に申し出たんですね。
当時のKATSUの心境について深くはわからないので、あくまで憶測ですが、彼としてはおそらくヒルクライムを存続させて、僕に迷惑をかけないために脱退という言葉を選んだんじゃないかと解釈しています。
さらにKATSUが担当していたDJの仕事はトラックを作ること。でもトラックに関しては代わりのトラックメーカーから提供してもらえれば、僕自身は活動を続けられる状況だったんです。
そして所属事務所からは、僕のソロ名義での活動は変わらず続けることと、ヒルクライムがなるべく早く復活できるようにサポートするということを言われていました。同時にKATSUとの二人体制で続けることは事務所の立場上できないということも」
DJ KATSUの決断、事務所の意向、また一人になってもヒルクライムを続けられる可能性が残されていたこと――。
これらが重なり、TOCは自然とヒルクライムを一人で続けていくことに前向きになれたという。
2018年9月に行われた日比谷野外音楽堂での新体制後初となるライブステージでの心境について、TOCはこう振り返る。
「活動休止後、約10ヶ月ぶりとなるひさびさのライブだったので、とにかく楽しかったです。
チケットもありがたいことに完売しまして、ファンの皆さんがこれからの新しいヒルクライムも変わらず温かく受け入れてくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいでした。
印象的だったのが、ライブが終わった直後に雨が降り始めたこと。
観客のファンたちもいろいろな思いから涙を流していた方が多かったんですけど、なんだかそのときの雨と涙が重なっている気がして、すごく感動したのを覚えています」
また、この復活ライブの際に披露した新曲『Good Luck』では、元相方のDJ KATSUに対する想いを歌っている。
ヒルクライムとしては決別した二人だが、プライベートでは現在もお互いに顔を合わせているという。
ヒルクライムとして約12年近く共に活動してきたパートナーであるだけに、二人の間には“憎しみ”といったネガティブな感情はないという。














