「尖った変わり者が出世できる制度」を

そういう人間は高い能力があっても周囲とうまくコミュニケーションを取れないので出世もできない。今でもホンダを含めた多くの日本の大企業では管理職になることが出世です。

つまり技術やセンスだけはあるけれど、人の管理や組織のマネージメントができない人間が大きな舞台で活躍できるストーリーは、日本の会社にはほとんどないのが現実です。

最近では、尖った才能を排除することが損失になると企業も気がつき始めて、マネージメントしている人間よりも高い給料をもらう技術者が一部では出てきていますが、まだ日本では多いとはいえません。

「尖った変わり者が出世できる制度」を早くつくって導入していかないと、これからの日本の会社は本当に苦しくなると思います。

尖った才能を持った変わり者を組織の中でどう活かしていくのか、というテーマはこれからの日本の企業にとって重要だと思いますが、それを実現させるのは本当に難しいと思います。

世の中を変えるような商品を生み出そうとすれば、協調性がある人間だけではダメなのはわかっていますが、周りと全然付き合えない変わり者ばかりでは組織として成り立ちません。そこをどう調整してマネージメントするのか、というのは普遍的なテーマとしてあります。

でも、そういう変わり者を引っ張っていったり、活かしたりするリーダーが必要ですし、かつては存在していたんじゃないかと思います。本田宗一郎さんはまさにそうだったと思います。

ホンダは変わり者のリーダーが変わり者の技術者たちを引っ張っていって、ベンチャーから大企業になった数少ない会社です。今のホンダの人たちは、そういうことを忘れているのではないかと感じることがあります。