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EVもメルセデス“らしさ”を継続

メルセデスは2019年に国内で初めて量産型EVモデル「EQC」を市場へ投入。

以降も、都市型SUV「EQA」やクロスオーバーSUV「EQB」からフラッグシップモデル「EQS」、ビジネスセダン「EQE」、7人乗りラグジュアリーSUV「EQS SUV」、5人乗りラグジュアリーSUV「EQE SUV」まで、数年間で多くのラインナップを展開してきた。

その理由について、上野さんは次のように説明する。

メルセデス・ベンツ日本営業企画部・部長の上野麻海さん
メルセデス・ベンツ日本営業企画部・部長の上野麻海さん
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「私たちメルセデス・ベンツは、『2039年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量をゼロにすること)を達成する』という目標を掲げています。この実現には、電気自動車の普及が大きな鍵を握ると考えています。
CO2排出を軽減するという観点では、別の選択肢もありますが、生産拠点を含むサプライチェーン全体を踏まえた上で、EVシフトは現時点で最適解だと捉えています。このような背景から、日本市場でもEVのラインナップ拡張に努めてきました」

直近では2023年5月に「EQS SUV」、同8月には「EQE SUV」を発表し、ラグジュアリーSUVのEVモデルにもラインナップを広げているが、「メルセデス自体がエクスクルーシブなブランドのため、ラグジュアリー路線への『転換』ではなく『強化』を行っている」と上野さんはいう。

2023年8月25日に新型「EQE SUV」発表会にてその魅力を語る上野さん
2023年8月25日に新型「EQE SUV」発表会にてその魅力を語る上野さん

「メルセデスの内燃機関モデルとEVモデルで、基本的な設計は何も変えていません。メルセデスに乗ったときに、それが内燃機関かEVかはあまり関係なく、常に最高のテクノロジーを搭載し、他社にはないメルセデスの付加価値を感じてもらえるように意識しています。
“EVならでは”ではなく、“メルセデスらしさの継続”という考えのもと、お客様の選択肢に自然と入り込むことを目指しています」