「今、歌詞の意味をようやく理解できる」
昭次の眼前に年齢を重ねたからこそ見える世界が広がっていた。
声量だけではない。歌詞の理解も昔より深くなった。
「あの頃、認められたいという承認欲求が肥大して、自分たちで曲作りをしたいって意欲が強すぎて。欲求の高まりとともに、メジャーなシングル曲をライブでやることがしんどくなって。
こんなこと言ったら、もうファンの人に怒られちゃうと思うんですけど。当時はね、嫌いだったんですよ。もう嫌で嫌でしょうがなかった。『DAYBREAK』『TIME ZONE』のことが。こんなの俺たちの曲じゃねえって。歌っていて歌詞が恥ずかしいくらいに感じてた。どんな歌詞かなのか深く理解しようともせずに。
今、歌詞の意味をようやく理解できる。『DAYBREAK』『TIME ZONE』の詞の世界観、素晴らしいですよね。深みがあって、どちらもすごい素敵な詞です。大津あきらさん、すごく尊敬する作詞家です。
10代、20代では、この詞の世界観がわからなかった。あの頃の僕らが歌うには若すぎたのかな。今、歌っていて、これが俺たちの代表曲なんだって誇らしく感じます。年を取るって悪いことばかりじゃないんですね」
復活ライブから数日後、『とんとん』に東山紀之と男闘呼組4人の姿があった。東山が健一に谷川を紹介したことから、男闘呼組再始動の物語は始まったと言っても過言ではない。
そんな東山が男闘呼組メンバーとライブ映像を見ながらの会食。
「ライブ、すごいよかったよ」
東山はそう絶賛した。
「美味いね」
トンカツに舌鼓を打ってくれたことも、昭次には誇らしかった。
構成/水野光博 写真/井村邦章













