なぜ「れいわ」か「参政党」なのか…支持者のパイを奪い合う
彼らは、まじめに義務教育を受け社会に出たにもかかわらず、正社員になれず、低い収入で重い税金や社会保険料を負担させられている。将来の年金への不安も大きく、「既存の政治は自分たちを見捨てた」という絶望感を抱えていた。
れいわ新選組と参政党は、ともに「消費税の廃止(または減税)」や「積極的な財政出動」を政策の柱として掲げ、この苦しむ層に向けて強くアピールを行った。つまり、両党は最初から同じ支持者のパイを奪い合う激しいライバル関係にあったのである。
同じような経済政策を掲げていたにもかかわらず、有権者の心をつかむ手法には決定的な違いがあった。有権者が両党をどのように比較して投票先を決めていたかを示す、街頭でのリアルな声がある。
「なぜ、れいわ新選組と参政党なのか。ケイスケさんは記者の問いにこう答えた。『自分から政治情報を検索したことはないんですが、X(旧ツイッター)のトレンドに出てくるのがその二つだからです。主張も分かりやすい。どちらも消費税廃止を打ち出していることに期待しています。』」
「生活がこれだけ苦しいのに減税しないのはおかしい。消費税を撤廃すると言っている参政党かれいわを考えている。どちらかというと、外国人が増えて治安が悪くなっているから『日本人ファースト』の参政党かな」(東京新聞『「参政党か、れいわに入れます」なぜ?その2択を口にする人が増えている…悩める「ロスジェネ」の判断材料』2025年7月13日)
実現が遠く感じる理想論
この記事の有権者の声からわかるのは、政治に関心を持つ入り口は「消費税廃止」という毎日の生活に直結する部分であったが、最終的な決め手は「わかりやすい敵」の存在だったということだ。
れいわ新選組が「弱者救済」という広い理想や正論を語ったのに対し、参政党は「外国人の増加」や「既存メディアの嘘」といったわかりやすい問題を提示し、「日本人ファースト」という排他的だが強い本音の感情に訴えかけた。
生活に余裕がなく、心も疲れ切っている人々にとって、実現が遠く感じる理想論よりも、自分の抱える怒りや不安を直接的に、そして過激に代弁してくれる参政党の主張のほうが、心に響きやすかったのである。
さらに、組織の作り方にも明確な差があった。













