山本由伸がメジャーで見せた“修正力”
牧がテレビ画面越しに追い続けてきた山本のドジャースでの歩みは、決して平坦なものではなかった。24年3月、韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕シリーズ第2戦。
山本はメジャー初登板の初回に5失点を喫し、わずか1イニングでマウンドを降りた。「山本といえど、メジャーの壁は高いのか?」、日本中にそんな空気が流れたが、牧の受け止め方は違っていた。
「メジャーに行ったばかりの頃の由伸は、日本ではあんまりなかったような打たれ方をしていましたよね。でも次の試合では、しっかり修正して投げていた。打たれたことをただの失敗にせず、いろいろ試しながら、すぐにアジャストさせていく。そのスピード感が、普通のピッチャーとは次元が違うなと思いました」
牧の見たてどおり、メジャー1年目の山本は登板を重ねるごとに精度を上げ、前半戦が終わる頃にはドジャースの先発ローテーションに欠かせない柱となった。2年目も東京での開幕戦で勝利を挙げると、以後、シーズンを通して好調をキープし12勝。ポストシーズンでは5勝を挙げる活躍ぶりで、ドジャースの2年連続世界一に貢献した。この2シーズンの山本の活躍を牧はどう見ているのか。
「自分が評価するなんておこがましいですけど、正直言って、想像以上の活躍でした。日本を代表する投手から、『世界のエース』へ駆け上がっていく姿を見せつけられた気がします」
とくに25年のトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズでの山本の力投は、牧に強烈な印象を植えつけたという。
「日本人投手がああいう大舞台で先発して勝って、さらにスクランブルで投げてフル回転をする。そんな姿、見たことがないですから。世界一を懸けた場面で投げさせてもらえるということ自体、チームメイトや首脳陣からの信頼がとてつもなく厚い証拠だと思います」













