年収制限で結婚相談所に入れず…
『日本を捨てた男たち』で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞し、『ルポ 国際ロマンス詐欺』の著者・水谷竹秀氏は、こうした事態に法整備化の必要性を説く。
「SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせ、金銭を騙し取る国際ロマンス詐欺について、被害者も加害者も取材をしてきました。被害者の中には『年老いた母を安心させるためにも結婚したい』という心理的な弱みに漬け込まれた男性もいますし、『40代の女性というだけでマッチングは難しく、かといって1人でいるのは寂しい』という現実に悩まされていた女性もいます。
よく『どうしてあったこともない人に大金を騙されるのか?」という人もいますが、年齢への焦りや老後への不安が高まる状況では、冷静な判断が難しくなるということは誰にでも起こり得ることではないでしょうか。最近では犯人もAIを駆使するなど、手口が巧妙化しています。
未婚化が深刻な問題になるなかで、マッチングアプリやSNSは解消するための有効な手段だとは思いますが、それに伴うユーザーのリテラシー教育や詐欺被害者の救済に向けた法整備は必要だと思います」
警察庁の発表では、2025年の全国での国際ロマンス詐欺の被害総額は計3241億円(暫定)と、過去最悪の数字となっている。しかし、こうしたリスクを承知の上で、未婚者がネット上に出会いを求めるのは理由がある。
「本当は結婚相談所に入りたかったんですが、年収制限で条件を満たせずに入会できず仕方なくマッチングアプリを始めました」
そう吐露するのは、自身の婚活経験を漫画『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』として発表した中川学さんだ。
「SNSなどで漫画のネタのために婚活しているのでは、などと揶揄されましたが、本当に真剣に婚活に取り組んできました。『そんなに真剣なら結婚相談所に入れば」と言われたこともありましたが、年収200万円だと結婚相談所にも入れません。結婚相談所に入れるのは“婚活優等生”なんです。
なので、マッチングアプリ、婚活パーティ、お見合い、知り合いの女性と思いつくかぎりの婚活に取り組みました。先日、テレビで放送のあった『ザ・ノンフィクション』の婚活編がとても話題になっていましたが、私から見るとまだ救いのある世界だと思います。
とはいえ、私が日々不幸かというとそういうわけではなく、年収200万円でも、独身でも人生はちゃんと笑えることを漫画で描いています」
中川さんのように就職氷河期世代で、その意志があっても結婚できない人は少なくない。結婚だけが人生のすべてではないが、真剣に「婚活」と向き合う誰もが、よりパートナーを見つけやすい世の中を作るにはどうすればいいのだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部













