市場は冷酷だ。時間は必ず請求書を持ってやってくる
本来、長期の積立投資とは、10年、20年という時間で波をならすものだ。数カ月で10ポイント上昇するような状況を「順調」と受け止めるのは、本来数年かけて得るはずのリターンを前借りしているに過ぎない。ここで必ず聞こえてくる言葉がある。「今回は違う」。バブルはいつもそう言われてきた。
社会の空気も荒れてきた。凶悪事件、詐欺、闇バイト…余白を失った社会では、自由は自由として機能しない。最も残酷なのは、この乖離が「自己責任」という言葉で処理されてしまうことだ。
最後に問わねばならない。高市政権が言う「責任ある積極財政」とは何か。責任とは、成功したときに成果を誇ることではない。失敗したとき、誰が矢面に立ち、その結果を引き受けるのかを示すことだ。
市場は冷酷だ。そして、時間は必ず請求書を持ってやってくる。
問題は、いつか、ではない。どの瞬間にその請求が回ってくるのか、である。
文/木戸次郎 写真/shutterstock













